「婚活で理想の相手が見つかる」意外な技術の正体 アルゴリズムを利用した「AI婚活」の実態は

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対面に比べるメリットは、思わぬところにもあります。それは、コミュニケーション中に気兼ねなくメモを取れる点。対面形式だと、相手の情報をいちいちメモに取るのは気が引けるもの。実際のお見合いで、気になった相手の情報ばかりメモしていたりすると、顰蹙を買ってしまうでしょう。

しかし、初対面の相手の情報を記憶するのは、なかなか難しいものがあります。情報を心置きなくメモできるのはメリットになることでしょう。例えば、そのメモをもとに、次に会うときには気の利いたことを言えたり、好きな食べ物のことを話していたらデートの場所やプレゼントに使えたり……といった具合です。

嗅覚の情報が拾えないというデメリットも

もちろんデメリットもあります。やはり、生身の人間と接した時とは印象が大きく異なるという部分です。人は、視覚的な情報や話す言葉を聞く部分以外でも、様々な情報を拾うもの。

わかりやすいところでいうと、嗅覚の情報が拾えないという部分を挙げてみましょう。特に女性のほうが嗅覚に敏感だと言われていますが、それは出産と大きな関係があるという説があります。というのも、生物はより強い生命力を持った子孫を残そうとする性質があり、その遺伝子を見分ける方法のひとつに「におい」があるのです。

スイスのベルン大学のクラウス・ウィトキンス教授が行った有名な調査に、次のようなものがあります。複数の男性が2日間着続けた木綿のTシャツのにおいを女性たちに嗅いでもらい、男性の魅力をにおいで評価してもらうという実験を行いました。その結果、MHCという免疫をつかさどる遺伝子の値が遠いほど、その男性の体臭を「好きなにおい」だと認識したのです。

つまり、このように、視覚や聴覚以外の部分で拾える情報が少ないというのは、デメリットになるのではないでしょうか。

さて、オンライン婚活の特徴を挙げてみましたが、実際にこのオンライン婚活はどれくらい活用されているのでしょうか。

男女1000人を対象としたアンケート(図C参照)では、オンライン婚活の利用率は、20代が15%、30代が12%、40代が11%、とまだまだ高いとはいえません。

オンライン婚活に対して怖さを感じている割合も、男性67%、女性79%とかなり高めです。さらに、実際に利用してみてオンライン婚活に苦手意識を感じた割合も、男性77%、女性75%と高い数値となっています。

つまり、オンライン婚活は話題にはなったものの、あまり定着していないというのが現実。しかも、「距離感がわかりづらい」などの理由で苦手だったという評価となっているのです。

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