LINE新社長が描く「生態系構想」の未来図 4月1日に新体制発足、LINEはどう変わる?

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――出澤さんの経歴は興味深い。オン・ザ・エッジに入社し、ライブドア社長時代にNHN ジャパンに買収された。そこからLINEが事業分割されて2年後、今回のLINE社長就任となった。自身の経験を経営に生かしたり、教訓にしていることはあるのか。

いろいろな経験をさせてもらった。ライブドア時代の拡大路線と大変な時期を経てからの再編、その後にNHNに買収されてから合併したり分割したり……。その中で私は、多くのノウハウや経験値を含めて勉強させてもらい、養分になっている。

それでもやっぱり一番大きいのは、LINEの生まれた瞬間に立ち会ったこと。2011年のサービス開始から4年目になるが、これだけグローバルに使ってもらえるサービスを一緒に盛り上げてきたことは、普通に考えても仕事人生の中で大きな経験だ。

今までにない悩みや経験、ユーザー数の多さから起こることもあるし、非常に多くの超えるべきハードルがあった。この4年間の経験というのは、私だけではなく、社員全員がそう思っていて、非常に濃密で皆が成長した時期だった。それをやってきたからこそ、今もチャレンジャーで、絶対に次へ行かないといけない。

LINEの担う領域はまだまだ広がる

出澤剛(いでざわ・たけし)●1973年生まれ。1996年早稲田大学卒業後、朝日生命保険に入社。2001年にオン・ザ・エッヂ入社、2007年ライブドア社長に就任し経営再建を果たす。2014年4月に代表取締役COO、2015年4月より代表取締役社長CEOに就任

――過去の経験からネットの破壊力は理解していたが、スマートフォンは次元が違った。

今まではPCの中で価値観や序列があり、フィーチャーホン(従来型携帯電話)でもそうだった。そうした価値観がスマートフォンで一気に変わった。本当に革命的だと思う。

プレイヤーの大きな変更もあったし、PCからの置き換えではなく、プラスアルファの部分のほうが大きい。誰もがスマートフォンを持つことで、インターネットの本来の姿というか、より進化した姿に行きつつある。新しいことの連続で非常に面白い。

たとえば、流行り言葉で「IoT(Internet of Things=モノのインターネット化)」がある。すべてのモノがネットにつながると、実際にどう制御するのか。今はインフラ寄りの話ばかりだが、ユーザー側をコントロールする際はLINEが使われるかもしれない。

LINEで冷蔵庫などのネット家電を遠隔操作するとか、すでに商用化されたものもある。スマートフォンやLINEの担う領域は非常に大きくて楽しみだ。手を広げすぎと言われるかもしれないが、まだまだ入り口。もっとチャンスがある。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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