「どこに勤めるか」でなく、「何をしたいか」

東大で博士課程に進んだが進路に迷い

進むべき進路について悩んでいます(写真:kmc / Imasia)
 いい大学に入り、いい会社に入っても、一生安泰の保証はない。これからの時代は、社会に出た後にどんな努力をするかで将来が決まる。この連載では、「学歴なし、コネなし、カネなし」で世の中を渡り歩いてきた安井元康・経営共創基盤(IGPI)プリンシパルが、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談に、本当に役立つ実践的なアドバイスをしていく。
→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

前回のQ&A 会社を「辞める基準」をどこに置くべきか

前々回のQ&A 就職のために資格は取っておくべきなのか

【キャリア相談 Vol.37】 東大でPh.D.を取りましたが進路に迷っています

はじめまして、東京大学大学院博士2年の十文字(仮名)と申します。率直に申し上げて、将来の進路に関して悩んでおります。

私は学部4年から物理の研究をしており、現在は、国際学会での発表の準備や論文執筆などに追われています。研究成果も出ており、筆頭著者として執筆させていただいた論文が修士2年の頃に「Science」誌、博士1年の頃には「Nature」誌に掲載されました。そのほかにも専門誌などに掲載され、筆頭著者としての論文は10本以上になります。アカデミアの世界ではこれらの業績はたいへん評価され、名誉ある賞も何度か受賞させていただきました。

しかし、私はアカデミアに残らず、社会に出て働きたいと考えております。なぜ博士課程に進んだのかと聞かれますと、たいへん苦しいのですが、やはり修士というのはコストパフォーマンスがよい反面、自分にとって何か中途半端だったからではないかと考えております。

社会に出て働きたい理由は次の2つです。

a.多くの人と、あるいは多くのコミュニティとかかわる仕事をしたい
 b.人々の生活に影響を与えるような仕事をしたい

この2つは言ってみれば、アカデミアにいては実現できないことだと思います。そこで社会に出るうえでの自分で、今、考えている選択肢は以下のとおりです。

1.メーカー、メーカー(外資含む)の研究所に就職
 2.外資コンサル・外資投資銀行に就職
 3.米国のIT企業、ベンチャーに就職

このほかにも総合商社や官公庁なども考えたのですが、年齢的に無理なのと新卒至上主義のような感じがしたので選択肢から外しました。

1に関しては、まさに博士取得者の王道的な就職先だと思いますが、王道ゆえに今の生活、環境とあまり変わらないのではないかと考えているほか、はたしてa、bを満たしているのか、という疑問もあります。また、会社見学や研究所見学の際、あまり熱意が感じられませんでした。

2に関しては(投資銀行とコンサルを同じではないのは重々承知ですが、あえて同列で扱いますと)、インターンに参加した際、非常に成長できそうで志望者が多いことに納得はしたのですが、社員の方と話してみると自分は性格的に合わないように感じました。また、最終的に内定した学生も自分とは合わないような人ばかりで、性格的にこの業界は向かないのではないかと考えております。

3に関しては、単に、ITはこれからますます重要になる、米国はITが最も進んでいる、米国では日本に比べればPh.D.は評価される、という3つの理由です。実際、IT業界やシリコンバレーには興味がありますが、自分が米国でやっていけるかどうか不安です。

以上のようにいくつかの選択肢、どれに対しても決定打がない状況です。よろしければ、私の将来の進路に関してアドバイスをくだされば、たいへんうれしく思います。どうぞよろしくお願い致します。

十文字(仮名)

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