東日本大震災を試練に日本は自信を取り戻す--英メディアが見た大震災下の日本

東日本大震災を試練に日本は自信を取り戻す--英メディアが見た大震災下の日本

ドミニク・ジーグラー
 英「エコノミスト」誌、アジア担当エディター。コラム「BANYAN」を毎週執筆。1994年から2000年、中国特派員、05年から09年、東京支局長を含め、過去18年間、アジア地域の報道を担当している。

--東日本大震災の日本経済への影響をどう見るか?

何らかの結論や予想をするにはまだ早すぎる段階だと思う。

今回の震災では、津波が引き起こした破壊の状況と、原発の危機という2つの大きな現象が発生している。現状は刻々と変わっているが、原発事故の方に関して言えば、恐怖感を引き起こす問題であるということ。
 
 恐怖感は増幅されやすい。実際にどれぐらい危険なのかといえば、今日の時点では、客観的に言えば比較的小さいものかもしれないが。

原発自体に人に恐怖感を抱かせる側面があって報道は大々的だが、逆に、津波の被害に関わる報道が比較的小さくなっているような気がする。津波の被害の全貌がまだ明らかになっていないせいもあるだろう。
 
 私が疑問に思うのは、原発事故と津波の被害との報道のバランスが正しいかどうか、という点だ。数十万人が避難状態になり、十分に食物が配布されていない、高齢者が特に苦しんでいるという報道が出ている。原発事故の展開に注目が集まる中で、津波や地震の被害の現状を伝え、必要な支援が届くための作業がおろそかになるのでは、と懸念している。

--先が読めない状況で、どうやって解説記事を書くのか?
 
 一つにはまず、過去の災害状況との比較だ。『エコノミスト』としては、1995年の阪神淡路大震災など過去の災害時に政府がどのように対応したのか、情報公開の透明性に関して、あるいは政府の問題処理能力はどう変わったのかを比較し、解説を始めてゆく。

政府や自治体当局などが、95年の阪神淡路大震災をうまく処理できなかったのは誰しもが認めていると思う。今から思うと、災害処理は、当時の政治体制を反映していたのだと思う。経済バブルが破綻してほぼ5年。破綻後の不景気から完全には脱していなかった。当時、国民は政府が何とかしてくれるだろう、政府は善で、国民のために働いてくれるだろうと信じていた。

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