プロ野球の試合時間は必ず短縮できる 1試合平均「3時間17分」は長すぎる

拡大
縮小

すでに2回の会合を終え、ワーキンググループも始動。選手会の松原徹事務局長は「みなさん真剣だし、選手会の意見も尊重してくれます」と話している。

だが、2月に発足して、いきなり開幕に間に合わせる改革案を決めるのは物理的に無理。来年度以降に向けて試合時間構成要因の数値化、試合時間の不要と思われる部分の解消策検討を進めながら、今年度に関しては現行の野球規則、2011年3月1日の実行委員会で承認されたセ・パ両リーグのアグリーメント(PACE OF THE GAME)を「一層、周知徹底させる」ことになった。主な項目は次の通り。

「イニングインターバルは2分15秒以内」

「イニング間の投手交代は2分45秒以内」

「イニング途中の投手交代通告から2分45秒以内にプレー再開」

「準備投球は5球以内」

「走者がいないとき、投手はボールを受けた後15秒以内に投球すること。違反した場合、球審は『ボール』を宣告する」

「捕手がマウンドに行く回数は3回(延長1回)まで」

「打者はみだりに打者席から離脱してはならない」

「サインを見る必要がある際は、打者席内で見る」

「攻守交代は全力疾走で行う」

以上のような項目をロッカールームなどに掲出、選手の意識付けを図るという。

ただし、野球は「間」を楽しむスポーツ。だらだらしたプレーはご免だが、投手と打者が互いに相手の呼吸を外そうとする駆け引きには、多少は目をつぶらなくてはならない。複雑化するサインの伝達もどれだけ省時間化できるか。劇的な効果はイメージできない。

次ページ選手に徹底しなくてもできる時間短縮策がある
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT