ロジクール1.3万円マウスは何がスゴいのか 実質9年ぶりのハイエンドマウスの実力は?

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つまり規定値ではどちらもウィンドウや画面操作に特化しているが、いくつか設定スキーマが用意されており、たとえば”メディアコントロール”を選べば、上下で音量調整、左右でリワインドとスキップといった再生制御が行える。

さてまとめよう。m950と比較した場合、トラッキング性能などマウスの基本部分については進化しているわけではない。ただし、ホイール操作やボタンとのコンビネーションによる機能呼び出しは、現時点で使われているパソコン用OSの機能に合わせる形で上手に作り込んでいる。

複数コンピュータとの接続設定を憶えてくれたり、一回の充電で長期間利用できるなど、技術発展に応じた順当な進化も魅力だろう。

本質的な性能、機能性は変わっていない

ただし、本質的な性能、機能性が大きく変わったかというと、個別にはそう大きく変化しているわけではない。これまで蓄積してきた、より良いマウスを開発するためのノウハウ、技術の集大成として、2015年の製品としてまとめ上げたのがMX Masterだ。そうした意味では革命的なホイール機構を導入したMX Revolutionに対して、正常進化を果たしたEvolutionモデルといったところだろうか。

手元のマウスがそろそろ古くなり、買い換え時期を意識しているならば、MX Masterは従来機の正統な後継モデルとして選ぶべき価値がある。ただし、一点だけマウスを持ち上げる操作時のグリップ感に関しては、ややネガティブな印象を持った。

高機能マウスには他にも”ゲーム用”というカテゴリがあるが、ナレッジワーカー向けの”ハイエンド・マウス”はライバルがいない。さまざまな面で進化を遂げたMX Masterを選ぶのか、あるいはm950を買い直すのか。筆者はしばらくMX Masterを使ってみようと思っている。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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