政府がガソリン等の緊急供給対策を発表、西日本から被災地へ臨時供給へ。タンクローリー車も大量投入【震災関連速報】

経済産業省は17日、東北の被災地でガソリン等の燃料油が深刻な供給不足に陥っている事態を受け、緊急の供給対策を発表した。西日本にある製油所の増産等によって東北への供給量を増やし、日本海側の油槽所から被災地へ配送するタンクローリーも西日本から大量に投入する。

東北には製油所が1つしか無く、通常は、北海道や関東にある製油所からも海上輸送することで地域の需要に対応してきた。ところが、今回の大地震によって、東北唯一の製油所であるJX仙台製油所が大きな被害を受けて操業停止。関東でもコスモ石油の千葉製油所で大規模な火災が発生するなど、東日本で6つの製油所が同時に操業停止に追い込まれる非常事態となった。

製品出荷や操業は順次再開されているが、東北太平洋側の海上受け入れ設備は震災の被害で十分な利用ができない。また、被災地では、各スタンドへの配送を担うタンクローリー車も津波などの被害を受け、稼働できる台数自体が限られるという。こうした複数の要因が重なって、被災地には必要なガソリン、軽油、灯油が届かず、復旧作業や住民の生活に極めて大きな影響を及ぼしている。

スタンド事業者の業界団体、全国石油商業組合連合会(全石連)によると、17日午前段階で宮城県内の営業中のスタンド数はわずか40店で、同県にある全スタンド(約800店)の5%に過ぎない。地震による設備損傷で営業ができない店もあるが、在庫が尽きて営業できない店の方が数的には多い。「東北被災地の各県の組合には、自治体からの供給要請や消費者からの問い合わせの電話が殺到している」(全石連)という。

政府が発表した新たな緊急対策は、こうした非常事態を受けたものだ。対策として、まず、西日本にある13の製油所の稼働率を95%以上にまで引き上げ、合計で1日当たり約2万キロリットルを増産。北海道にある2つの製油所からの供給可能分も含め、東北地方の燃料油需要(通常時で1日当たり4万キロリットル弱)に相当する量を確保する。西日本での増産分は、海上ルートで日本海側の秋田、酒田、新潟にある油槽所へ輸送し、そこから大型タンクローリー車で太平洋側の被災地や東北一帯のスタンドに配送する。

その際にネックとなるのが、タンクーローリー車自体の不足。現地では、津波の影響で流されたり、エンジンが濡れて動けなくなった車両が数多く出ているという。経済産業省によると、現在、被災地で稼動している大型タンクローリーは400台前後。この台数では到底足りないため、西日本地区から300台の大型タンクローリー車を集めて投入する。陸上危険物輸送の業界最大手、ニヤクコーポレーションでは、緊急対策を受けて元売りから正式な要請があり、すぐさま100台以上の大型タンクローリーを東北に向かわせた。

また、緊急対策では、被災地域にあるスタンドの中から100カ所を「拠点ガソリンスタンド」に指定。このスタンドを公的な燃料供給拠点と位置づけ、緊急車両や救援物資車両などへの給油を優先的に行う考えだ。

(渡辺 清治 撮影:今祥雄 =東洋経済オンライン)

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