白熱電球1個を5世帯が節電すれば街路灯1本分、三菱総研が家庭でできる節電を試算【地震関連速報】

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白熱電球1個を5世帯が節電すれば街路灯1本分、三菱総研が家庭でできる節電を試算【地震関連速報】

三菱総研は、大規模停電と計画停電の影響を最小限に抑えるために、家庭でできる節電についての試算をまとめた。

東京電力福島電子力発電所の一連の事故によって供給電力量が大幅に低下し、供給エリア内で計画停電が実施されている。17日には予期しない大規模停電のおそれがあるとして、緊急の節電要請が政府から行われるなど、混乱もみられる。

電力は基本的に貯蔵できないため、通常、電力会社は毎日ピーク時の数時間前に需要を予測し、それに基づいて火力発電所を使って供給量を調節している。ところが今回はその発電能力に余裕がない。通常電力融通契約がある東北電力も震災被害が甚大で、供給力の不足と送電能力の低下が指摘されている。

中部、関西とは周波数が違うため、大量に送ってもらうわけにもいかない。八方ふさがりの中で、ピークを下げて大規模停電を避けるしかない。17日(木)午前には、供給量の99.4%というまさにぎりぎりの状況だった。

三菱総研では、各家庭のピーク時の電力使用量を800ワットと試算。ピークは一日のうち6~8時と18~20時の2回。このときに電力使用量の多いエアコンの暖房設定温度を1度下げる(使用電力量は10%削減)、冷蔵庫の設定温度を強から弱にする(使用電力量20%削減)、照明をこまめに消す余分な明かりはつけない、待機電力を減らす、などによって、25%、200ワットの削減が可能になるという。白熱電球1個60ワット分の節電を東京電力管内の全世帯が行うと、120万キロワット=160万世帯分の電力になるという。

計画停電の1グループ約200万~300万世帯には少し足りないが、2個消せば余裕で捻出できる勘定だ。停電を防ぐことができれば、交通事故をはじめとする2次災害も防げる。
 
 三菱総合研究所はこの試算の詳細を同社ホームページに掲載した。
http://www.mri.co.jp/

(小長 洋子 =東洋経済オンライン)

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