サムスン、苦戦の日本市場をどう攻めるのか ゼロから刷新した「ギャラクシー」の実力は?

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――「S6」シリーズには、独自の決済サービス「サムスンペイ」の機能も搭載された。韓国と米国でサービス開始を予定するが、日本での展開の見通しは。

これから検討していく。現在、アップルの「アップルペイ」などで必要となる無線方式の「NFC」のクレジットカードリーダーは、まだあまり普及していない。しかし我々の「サムスンペイ」は、従来型の磁気ストライプ対応のカードリーダーがそのまま使えるため、広がりが期待できる。今後キャリアと相談しながら、カード会社との連携も含め検討していく。

SIMフリー端末の投入時期は未定

――腕時計型端末「ギャラクシーギア」など、ウェアラブル端末の手応えは。

本格的な需要はこれからだ。重要なのは、我々は腕時計型やメガネ型端末を含め、グローバルで満遍なく製品をそろえていることだ。全てのモノがインターネットにつながるIOTの時代に、スマホとウェアラブル端末がどんな力関係になっても、ユーザーに新しいライフスタイルを提案できるのが我々の強みと捉えている。

――今年はSIMロック解除が義務化される。格安スマホの市場も広がっているが、日本でSIMフリー端末を投入する見通しは。

MVNO(仮想移動体通信事業者)やSIMフリー端末が存在感を増していくのは、確かなトレンドだ。しかしMVNOの前提条件は、ネットワークを持つキャリアの存在。今でも携帯端末販売の約9割をキャリア経由が占めている。

我々はグローバルでは、低価格帯のラインナップもそろえ、SIMフリー端末も投入している。だから日本市場でもやろうと思えばすぐできる。ただ日本では、まずキャリアビジネスが優先だ。残念ながら日本ではまだグローバル市場のような地位を築けていない。SIMフリー端末投入は、キャリア経由での地位を築いてから検討するつもりだ。

許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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