まだ資産運用をしたことがない
若い人たちへ
特別対談 浅田 舞 × 朝倉 智也
朝倉 個人投資家の判断を支援するという意味でも、中立的な立場で情報を編集し、的確に伝えることが大切だと考えています。
評価対象としているファンドの中から優れたファンドを表彰する「ファンド オブ ザ イヤー」は、日本のモーニングスターが設立された翌年から発表を開始し、今年で16回目になります。昨年は10年以上の長期間にわたり優れた運用実績のあるファンドを表彰する「ファンド オブ ザ ディケード」も新設し、両賞を「モーニングスターアワード」として位置付けています。当社ではこれらに加え、タブレットやスマートフォン、SNSなどに対応した情報提供やサービスにも積極的に取り組んでいます。株式・ファンド・為替情報が無料で閲覧できるアプリはすでに50万ダウンロードを突破しています。私自身も、新聞や雑誌、テレビ番組でコメントを求められることも多くなっています。
若い人たちにこそ、
資産運用をしてほしい
朝倉 私は、個人投資家向け資産運用セミナーなどでも講演を行っています。最近では、小さなお子さんを連れたご夫婦など、若い世代の来場者も増えていますね。私は、このような若い人や投資未経験者の人にこそ、資産運用に関心を持ってほしいとお話ししているんですよ。
浅田 投資というと、シニア層やシルバー層の方たちが中心というイメージがあります。特に20代の私たちにとっては、自分たちには関係ない世界のように思っていたのですが、朝倉社長がそのように提案されている理由はどこにあるのですか。
朝倉 大きな背景として、これからの時代は、資産の保全が次第に厳しくなることが予想されるからです。たとえばインフレです。政府は具体的にインフレ目標も掲げています。デフレの時代には現金を預貯金に置いておくだけで価値が上がりました。しかし、インフレになると、それまで1万円で買えたものが1万円以上に値上がりしてしまいます。見方を変えれば、現金の価値が目減りするわけです。
また、円安傾向にあることで、食品など多くの輸入品が値上がりする心配があります。海外旅行も、これまでなら10万円で行けたのに12万円になってしまったといったようになるでしょう。消費税も、2017年には税率が10%に引き上げられる予定です。今後さらに増税が行われる可能性もあります。このほか、年金や医療・介護などの財源の問題もあります。
浅田 課題がたくさんありますね。私も、友人などと、年金などについて話すことがあります。とは言っても、漠然とした不安が生じるだけで、具体的に何をすればいいのかわかっていませんでした。ただ、株式やファンドを購入するのは、なかなかハードルが高いように思います。