「人間関係が良好な人」がやってるメールの書き方 思いを上手に伝えるための「ひと言添え」

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相手にムダな時間を使わせない配慮。相手を敬っているからこそのひと言ですから、「気が利く人」と、あなたを見直します。「終了宣言」は、メールでの大切な作法です。

私は1日100通余りのメールをやりとりしていますが、「終了宣言」をしてくださる方は、まずいません。それだけに、終了宣言のひと言は輝いてみえます。

コツ③ 「P.S.」で“また会いたい人”になる

メールや手紙は簡潔な表現をするのが原則ですが、「お世話になっています」で始まり、「今後ともよろしくお願い致します」で終わる文章では味気ないですよね。

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かといって「最近、どう?」「元気?」など、くだけすぎた表現だと、相手も「信頼して良いのか?」戸惑ってしまいます。

そこで役立つのが「P.S.」。手紙やメールなどで本文のあとに、ちょっとしたことを書き添える、「追記」「追伸」です。一目置かれるような人は、本文で大事なことを伝えたあとに、信頼を損なわない程度に柔らかいひと言を「P.S.」として添えます。

「P.S.」の書き方は、次の3つです。

1.本文で要件を伝えたうえで、ちょっとだけプライベートな顔を「P.S.」でのぞかせる

2.相手のプライベートな領域に少しだけ踏み込んで書く

3.自分を語る場合は、失敗談や笑えるエピソードを書く

たとえば、次のような感じで添えてみましょう。

●犬を飼っている方には
「P.S.もうすぐ○○ちゃん(愛犬の名前)のお誕生日ですね」
●お会いした際の雑談を活用すると
「P.S.教えていただいた○○、試してみました。最高ですね」
こうすると「私に関心を持ってくれている」とか「好みを覚えていた」と相手は感激します。
●相手への関心を示したいときには
「P.S.○○様の笑顔にいつも癒されています」
「P.S.○○様の行動力に脱帽しています」

記憶に残るのは、締めの言葉。最初に厳しいことを言われても、最後にやさしい言葉があれば、嫌な気分にはなりません。むしろ、最後に温かな気持ちになり、文を読み終えることができるのです。

良好な人間関係を構築している人からいただくメールの8割以上は、形は違っても心に響くひと言が添えられています。ひと言の気遣いができる人は、仕事ができて人間関係にも恵まれるのです。ひと言を添えるには、3分もかかりません。面倒だからと3分の手間を惜しむと、多くの縁や運を逃す可能性もあります。

「ひと言」を活かし、人間関係を豊かにしてくださいね。

臼井 由妃 エッセイスト・ビジネス作家・経営者

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うすい ゆき / Yuki Usui

33歳で結婚後、病身の夫に代わり経営者に。 次々にヒット商品を企画・開発。独自のビジネス手法により通販業界で成功を収め、借金3億円の会社を優良企業に変える。経営者として多忙な中、理学博士号・健康医科学博士号・宅建・行政書士・MBAなどの資格を短期に取得 その勉強法も注目されている

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