全世代で「40代おじさん」が実はつらいという真実 「あなたはどっち?」二択でわかる"悲哀と実態"

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40代おじさんの特徴が表れたデータには、余計なお世話だよ! と言いたくなるこんなものもあります。

図表4
*既婚男性ベース 出典:博報堂生活総合研究所「信頼に関する生活者意識調査」

筆者は東京生まれ東京育ちですが、転勤で大阪にも住んでいた時期があり、かつ大阪の水が非常に合ったのでいささか複雑な気持ちではありつつ、一般的には大阪人より東京人を信用する人が多いという結果になりました。

性年代別に見ていくと、東京人派が最も多かったのは30代男性で67.2%。心情vs.数字という二択では数字派が最も多かったのですが、それに通じるものを感じます。逆に、大阪人派が最も多かったのは40代女性で50.6%。男性中1位の40代おじさんと併せ、40代は大阪人の味方です。

そんな大阪人びいきの40代には切ない結果ですが、大阪vs.京都、大阪vs.神戸の信用対決でも、大阪はそれぞれ水をあけられてしまいました。全体平均の数値で、大阪41.1% vs. 京都58.9%、大阪35.8% vs. 神戸64.2%。これは人ではなく街について尋ねた質問ですが、関西の3つの都市のうち信用度最下位のイメージとなってしまいました……。

さて、40代おじさんの数値が1位となったデータには、次の表のように一風変わったものもあります。

図表5
出典:博報堂生活総合研究所「信頼に関する生活者意識調査」

だから何だよ!(笑)と言ってしまえばそれはそうなのですが、意外と40代おじさんの価値観が反映されているようにも思います。狩猟・採集が生活の中心だった縄文時代に対して、弥生時代は農耕・稲作が中心。40代おじさんの保守的、安定志向な一面が弥生人派の多さにつながっているのかも、というのは考え過ぎでしょうか。

40代おじさん、怒涛の「挟まれっぷり」

さて、ここからは、世代差が表れたデータを追っていきたいと思います。調査対象である20〜60代の中で、40代おじさんはちょうど真ん中。そのためか、質問に対する回答も、上の世代と下の世代の中間あたりの数値になる場合も多い結果となりました。

早速、挟まれるさまを見ていきましょう。男女差が小さく世代差が大きかった調査結果を取り上げるので、40代おじさんだけでなく、40代女性も同様の挟まれっぷりとお考えください。

まずは、ネット情報とマスコミ情報のどちらが信用できるか? という質問です。若い層はネット情報派が圧倒的多数派となりました。予想通りでしょうが、それにしても20、30代と60代では約30ポイントも差がついています。

図表6
出典:博報堂生活総合研究所「信頼に関する生活者意識調査」

「ネット記事で読みました」と力説する部下と「新聞で読んだ」と熱弁を振るう上司に、どちらが正しいと思うか意見を求められたらどうしましょう? 40代自身はネット情報派が優勢なわけですが、そこで躊躇なく忖度もなく上司を切り捨てられるくらいなら、私たち40代おじさんはストレスなどため込みません! そして、厄介なことに、このような板挟みの種は大小様々にあるわけです。

例えば、自分が思う自分vs.他人が思う自分、どちらが信用できるか?

図表7
出典:博報堂生活総合研究所「信頼に関する生活者意識調査」

すべての世代で、自分が思う自分派が多くなっています。しかし、20代と60代では、約15ポイントの差がつきました。40代の価値観は、やや20、30代寄りですが、ある程度客観的な目も信用する若者たちと、多くが自分を信用する年配たちに挟まれている格好です。

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