なかやまきんに君、芸歴23年で大躍進遂げたワケ 筋肉留学、吉本興業からの独立もパワー!に

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苦労や挫折がいくつもあった筋肉留学の真相

Z世代トレンドアワードや流行語大賞のノミネートなど、大活躍のきんに君だが、そこに至るまでには、苦労や挫折経験がいくつもあった。

二十数年前、“筋肉キャラクター”は珍しいことから注目されたが、「そんなのすぐ飽きられるよ」と皮肉を言う人もいた。ところがTBS系列局で放送されていた番組『筋肉番付』がゴールデンタイムで放送されると、鍛えた身体能力で活躍し注目を集めた。

サンタモニカカレッジに留学した当時のなかやまきんに君

その勢いで、2006年にはアメリカへの“筋肉留学”を決意する。まだ、誰もやっていないことに意味があると感じていたからだ。

当時、周囲の人からは、「何がしたいの?やめたほうがいい」と忠告もされた。そんな言葉にも負けまいと、サンタモニカカレッジという2年制の短大に入り、運動生理学の勉強をイチから学んだ。ところが勉強はすべてが英語。勉強時間を多くとられてしまい、充分に筋トレができずに、肝心の体はどんどん痩せて、10キロも軽くなってしまった。その結果、筋肉留学から帰国した後には仕事がほとんどない状態になってしまった。

筋肉留学で、逆に筋肉が減ってしまった当時

「勉強したからってタレントとしての価値が上がるとは、誰も思ってくれませんでした。『勉強して卒業するよりも、例えばアメリカ国内を旅行して、驚きのエピソード話をしたほうが、タレントとしては、役に立つんじゃないか』っていう声もいっぱいありました。だけど、僕は必ず勉強をして、いつかこの経験が役に立つという自信を持っていました」

きんに君はデビューする前から、肉体を鍛錬に磨くストイックさに、ゆるいお笑いキャラクターを掛け合わせたら、“必ず何かが起こる”という自信を持っていた。

「いろいろと批判されようが、挫折しようが自分にはまだできる、この歯車が嚙み合えば、絶対にできる。周りの人の意見は、すごく大切だと思いますが、最終的には自分の信じたことをとにかくやり続ける。それがあったから、諦めずに挑戦することができたんです」

自分を信じ続けてやっていた運動生理学についても、今ではYouTube(登録者195万人)などで大きな反響を得ている。困難な状況を乗り越える秘訣は、「自分の思ったことを信じてやるに尽きる」と胸を張る。

それに、「筋肉留学はまだ終わっていない」ときんに君。

「僕は、吉本興業の養成所(NSC)に入るために、19歳のときに履歴書を送ってるんですが、その履歴書の目標欄に書いてあります。“世界で活躍する人”って。そこだけはずっと変わらない夢です」

ハリウッドで映画やテレビに出演することで世界中で話題を集めたい、と当時から語り続けてきたのだ。

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