【産業天気図・海運業】コンテナ船の運賃値上げは想定超で決着!ただし燃料高で後半からボディブローも

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●お天気概況
 過去最高の利益水準を謳歌した前期に比べ、今2005年度予想は、日本郵船と川崎汽船が営業利益小幅減、商船三井が同小幅増と、やや弱含み。ただ、高原状態は続く。市況面では、前期好決算を主導したコンテナ船が、北米航路で大手の想定を上回る285ドルの運賃値上げに成功。タンカーや鉄鉱石等の撒積船も多少の市況軟化が見られるものの、水準は高い。需給面でも、コンテナ船竣工が全世界で05年300隻、06年350隻が見込まれるなど05年度後半以降に供給増要因はあるが、中国から北米等への輸出が依然増勢を保つことから、逼迫状況は揺るがない。

●今後の注目点
 大きな懸念材料が原油高に伴う燃料(C重油)の高騰。今期のC重油価格は日本郵船と川崎汽船が1キロトン=230ドル、商船三井は250ドルを想定するが、足元4月の相場は、すでに300ドルを突破。各社とも1ドル上昇で3億円前後の減益要因となるだけに、今期下半期以降には徐々に影響が出てきそうだ。
【大滝俊一記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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