小型犬に多い「犬の歯周病」飼い主に伝えたい基本 年々増える手術件数、皮膚や骨に穴が開くことも

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さらに、歯周病を引きおこす細菌や炎症性物質などが歯肉粘膜の毛細血管などから全身性の血管に入り込み、心臓、腎臓、肝臓まで移行して、これらの組織を侵してしまうこともあるという。

3タイプの変化で見る「歯周病チェックリスト」

藤田獣医師に犬の歯周病チェックリストを作成してもらった。

チェックリストにある症状が見られる場合、多くは歯周病が疑われるが、歯周病以外の口の病気(腫瘍、口内炎、歯の破折など)やケガ、加齢、皮膚病、鼻炎、結膜炎、角膜炎、ストレスなど、他の全身性の原因が関係している可能性もある。

【身体の変化】
・口臭が気になるようになった 
・口の周りの汚れが目立つようになった 
・グラグラしている歯が見られるようになったり、歯が抜けたりするようになった 
・よだれの量が増えた 
・目やにが出たり、目が充血したりするようになった 
・くしゃみや膿混じりの黄色い鼻水、鼻血が出るようになった 
・頬や顎に腫れが見られるようになった 
・皮膚に穴が開いている 
【行動の変化】
・口を気にして痛そうにするようになった 
・口や顔を触られるのを嫌がるようになった 
・痛そうに鳴くようになった 
・頭をよく振るようになった 
【食事の変化】
・食べるのが遅くなった 
・食事を食べなくなった 
・口から食事をこぼしたり、口に入れても出したりしてしまうようになった 
・片側だけで噛むようになった 
・硬いものを食べず、柔らかいものを好むようになった 
・今までと違う、どこか違和感のある食べ方をするようになった 
ライオン商事の「愛犬のお世話(ケア)に関するスクリーニング調査」(2022年、調査対象:全国の愛犬家1600人)によると「犬の歯磨きができてない」と答えた人は79.3%にものぼる

気になるところがあれば、早めの受診を心がけたい。ただし、病院選びにはコツも要りそうだ。歯周病を全身疾患と密接な関わりを持つ深刻な病気と捉え、専門的な治療や指導を行う動物病院は多くないからだ。

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