速報!東大合格者数上位校の知られざる素顔 名門校ほど「ガリ勉」「スパルタ」ではない

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●開成(1位)
34年連続1位!ハーバード大学のベストティーチャーが校長

柳沢幸雄校長が卒業式でよく言うセリフがある。「ハーバードで教えていた経験からすると、開成の卒業生は、18歳の集団として世界一の達成度を示している。学力的にも人格的にも。しかし東大で教えていた経験からすると、4年後には君たちは必ずしも日本一ではない」。

(写真:Tig.】Tokyo image groups / Imasia)

前半は、卒業生とその保護者への惜しみない賛美である。開成の教員は生徒のことをとにかく褒める。教員が生徒のことを誇りに思っているのが、日々の会話の中から伝わってくる。しかし後半だ。柳沢校長は、開成生の才能を十分に伸ばせる環境が日本にはなく、「出る杭は打たれる」であろうことを警告している。それにあらがえとエールを送っているのだ。

世界のトップクラスを見てきた校長の言葉には説得力がある。

大学合格実績は“おまけ”のようなもの

●筑波大附属駒場(2位)
 合格率ではダントツの1位!でも進学実績はおまけのようなもの

中3と高2では、「総合的な学習の時間」を利用して、それぞれ「テーマ学習」「ゼミナール」という探究学習を行う。およそ受験とは関係ないが、高度にアカデミックな内容の講座が用意される。教員が生徒に各講座の魅力をプレゼンして生徒を集める。

筑波大学との関係を活かして、大学の授業を体験させてもらったりもする。

国際数学オリンピック、各種国際科学オリンピック、国際哲学オリンピックなど、国際的な舞台で桁違いの活躍をする生徒がぞろぞろいるのもうなずける。驚異の大学合格実績は、そのおまけのようなものなのだ。

●灘(3位)
 1968年、初めて日比谷高校の万年首位を奪った

中学の教室を覗くと無骨な木の机と椅子が並んでいる。だいぶ年季が入っている。灘名物「机椅子」である。机と椅子がセットになって固定されており、座る位置を調整できない。旧制中学時代からの伝統である。始業や終業を知らせるチャイムはけたたましい。チャイムと言うよりはブザーである。これも旧制中学時代からの伝統。学級委員のことはいまだに「級長」と呼ぶ。これも伝統である。

「変えなきゃいけないところは変えるけど、変える必要のないところは変えない」が学校のスタンス。というわけでいまだに旧制中学の匂いがプンプンするのである。

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