ネットに溢れる「SNS動画」目を留めて貰う一工夫 YouTubeやTikTok、各々に合わせた動画づくり

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今は様々な人が情報発信しているので、同じような内容の動画もたくさんあります。少し見て気に入らなかったら、他の同じような動画に移ればいいだけです。そのため、初めて出会った配信者の動画は、最後まで見てもらえる可能性が低いです。

その理由は、初めて出会った配信者とは信頼関係がないので、すぐに見るのをやめてしまうからです。特にネット世代は「続きを見る」「見るのをやめる」というジャッジが、とても早い傾向にあります。溢れるほどの情報量に慣れていることもあり、限られた時間のなかでどの動画を視聴するかを決めています。

なかには、「ながら見」をしながら気になる動画を探し、「役に立つな」と思ったらチャンネル登録する、という人もいます。全ての人が、じっくりと動画を見てくれているわけではないのです。

また、ネット世代は、次から次へと目移りするのも特徴です。流行りに敏感で、情報が溢れているので興味の対象も移りやすいのです。このようなことを踏まえると、ロング動画よりショート動画のほうがネット世代にはしっくり合うのです。

ショート動画とロング動画の使い分け

ショート動画は短いので、複数見ても負担になりません。そして、何度も見ているうちに「ザイオンス効果」(繰り返し接すると印象や好感度が高まり、関心の度合いが高まるという効果)が働きます。このザイオンス効果の働きにより、配信者に対する「信頼貯金」も貯まりやすくなります。

また、動画制作の点から見ても、ロング動画をたくさんつくるのは厳しいのですが、ショート動画ならたくさんつくれます。ショート動画をたくさんつくってザイオンス効果を狙うのも、一つの戦略となります。

このような心理的効果を狙えるのがショート動画の利点です。最初はショート動画を数多く配信して信頼貯金を貯め、信頼して貰うことでロング動画も見て貰う流れをつくっていきましょう。

一方のロング動画は長い動画なので、じっくり伝えることに向いています。例えば「教育」や「ハウツー」の動画は、必然的に長くなります。

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