バーバリーの「後釜ブランド」は化けるか 三陽商会、マッキントッシュの全容を公開

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衣料以外に力を入れる雑貨。三陽商会の社員がデザインを手掛ける

三陽商会が今回新たに立ち上げる「マッキントッシュ ロンドン」は、世界展開されているマッキントッシュを、日本市場に特化させたオリジナルブランドだ。

バーバリーの売り上げ消失を補完するには、しばらく苦戦が想定されるが、マッキントッシュならではの利点もある。バーバリーの商品展開に比べて、三陽商会の方針がより尊重され、デザインや広告宣伝の自由度が増すことだ。

バーバリーとの契約では、細かいことまで英国本社の許認可を得る必要があった。しかし、マッキントッシュ社は2007年に日本のアパレル商社である八木通商(大阪市)が子会社化。「八木通商は日本の市場を知り尽くしているので意思疎通がしやすく、許認可を得るというより、協力して新ブランドを育てていくという関係」(三陽商会広報)という。

衣料以外に雑貨も展開へ

これにより可能になるのが、商品アイテムの拡充だ。バーバリーでは、三陽商会は衣料しか手掛けることができなかったが、マッキントッシュでは靴やかばん、財布などといった雑貨も展開することが可能になる。

業界関係者の間では、「バーバリーが日本で成功したのは三陽商会の力が大きかった」という声もある。英国本社に手足を縛られながらも、日本人向けに商品を企画してきた三陽商会の実力は高く評価されている。今後、自由度が増せば、より力を発揮しやすくなるだろう。

想定するターゲットは、「伝統と歴史に裏付けされた本物を知る大人たち」「45才以上の男女」とアッパー層を意識しているが、価格帯に関しては広めに取っている。たとえばメンズコートでは、下は6万3000円から、上は50万円まで。メンズスーツは11万円から20万円となっている。これを見る限り、百貨店の1階で展開されているような高級ラグジュアリーブランドと、その1ランク下である中高級プレミアムブランドを包有しているといえよう。

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