中間選挙後のアメリカは「トランプ劇場」になる このままだとまたまた12月は「大変な事態」に?

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中間選挙のあとに国際会議がレンチャンで続くという現象は、実はこれが初めてではない。2014年にもまったく同じことが起きている。当時の日程は以下のとおりだった。

<2014年>
11月4日 アメリカ中間選挙
11月10〜11日 APEC首脳会議(中国 北京)
11月12〜14日 東アジアサミット(ミャンマー ネピドー)
11月15〜16日 G20首脳会議(豪州 ブリスベン)

11年ぶりの「リアル会談」で成果は期待できる?

要は各国が、アメリカ大統領の日程が空くのを待っていたのである(このときの大統領はバラク・オバマ氏)。やはり誰しも考えることは同じということか。ちなみにこのとき、日本の安倍晋三首相は3会議とも皆勤賞であり、加えて5つの多国間会議をセットし、さらに14カ国との2国間会議をこなしている。故人の精力的な外交姿勢がしのばれる。

今年は10月に中国共産党大会が行われた直後でもある。となれば気になるのは、米中首脳会談がリアルで実施されるであろうということだ。習近平総書記は、トップ7人の常務委員を子飼いの部下たちで固めて、異例の3期目に突入したところ。盤石の態勢を固めたともいえるが、逆にいえば少々危ういものも感じるところである。

逆にバイデン大統領は、不利とみられていた中間選挙をかろうじて乗り切りつつある。事前の予想どおりに大敗していたら目も当てられなかったが、この選挙結果なら民主党内の求心力も何とか維持できそうだ。

ご両人は2011年、バイデン氏が副大統領で習近平氏が国家副主席だったときに北京で会っている。しかし両者が国のトップになってからは、初のリアル会談となる。だからといって、お互いに「お土産」が飛び交うような再会にはならないだろう。

次ページ問題は山積でも、会談開催だけでグッドニュース
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