ファミマ、ユニー「統合」で始まる大淘汰 "負け組同士"のコンビニに勝算はあるか

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共同記者会見に臨む、ファミマの中山勇社長(右)と、ユニーGHDの佐古則男社長(撮影:尾形 文繁)

「コンビニについては(セブン‐イレブン・ジャパンとわれわれの)2強ということになる。真っ向勝負ができる規模になりえた」(ユニーグループ・ホールディングス=GHDの佐古則男社長)

3月10日に開かれた、コンビニエンスストア業界3番手の「ファミリーマート」と、4番手の「サークルKサンクス」を傘下に持つユニーグループ・ホールディングスの共同会見。両社は経営統合に向け協議に入ることを発表したが、統合決定でなく、統合交渉を開始する主旨の会見は、極めて異例だ。両社のコンビニ事業を単純合算すると、全店売上高2兆8000億円、国内店舗数1万6900店と、一気に業界2位級へ躍り出る(2014年2月期末)。

新社名や代表者、合併比率、本社所在地など、詳細な内容は今年8月ごろまでに決める。持ち株会社を作り、傘下に両社のコンビニを一本化した事業会社と、スーパーを中心とした事業会社を設ける予定。コンビニについては三つあるブランド(ファミマ、サークルK、サンクス)を一つにする方針だ。具体的なブランド名はこれから詰める。ファミマの中山勇社長によると、「2014年11月ごろから話し合いを進めてきた」といい、2016年9月での統合を目指す。

ファミマのラブコールに業績悪化で応じたユニー

ファミリーマートはここ数年積極出店を続けてきた(撮影:梅谷秀司)

以前から「売上高で早く2位になりたい。お店の数が売上高を作るなら、店舗数も重要だ」と話していた中山社長。統合が成就すれば、悲願達成へと限りなく近づく。これまで両社の経営統合は、業界内で幾度となく話題に上ってはいた。ただ、ユニーが自主独立路線にこだわり、ファミマの“片思い”で終わってきた経緯がある。

が、お互いを潰し合うような激しい競争環境に、昨春の消費増税が追い打ちをかけ、業界内でも優勝劣敗は鮮明になっている。ユニー、ファミマともに15年2月期決算は、営業減益濃厚の「負け組」だ。ユニーに至っては3年連続減益に沈み、起死回生を図るため、やむなく方針転換を決めた格好になる。

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