絶不調?「育休明け」ママたちを救え! 東大ママ的「モヤモヤ」乗り越え術

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「家事育児も60点、仕事も60点でも120点で十分頑張っている」というよく本に書いてある助言も、当事者になると、仕事が60でいいと決めるのは自分でなくて上司ではないか……と素直に聞き入れることができませんでした。今となっては、周りと比べての60ではなくて、昔の自分との比較のアドバイスだなとわかるようになりました。ひとまず、周りや昔の自分と比べると著しく自己肯定感が下がるので、しないようにしましょう。

こういったことに、ママばかりが悩むはめになりやすいのですが、家事・育児の分担ももちろんのこと、復帰後のさまざまな葛藤も夫婦で共有できればだいぶ心は楽になるはず。

〈夫の期待値を調整する〉 
「子どもができたら大人2人のときに比べて家事は3倍(感覚値)になる」「すぐに病気になるらしい」ということを説明し、夫に家事にさらに参加してもらうこと、私の家事レベルは下がること、「毎日『明日は出社できないかも』と思いながら働いてほしい」ということなどを理解してもらいました。
大切なミーティングでもないかぎり、時短勤務初心者に比べてフルタイムで働いている男性のほうが、突発的に休むことになってしまっても残業などで取り返せることが多い。病気のときは夫に朝から見てもらい、自分の仕事を終わらせたところで交代、夫は終電まで働くということもよくありました。
復職後、少しモヤモヤがあっても、愚痴を聞いてくれて一緒に前向きに改善を考えてくれる同志(=夫)がいれば、なんとかやっていけるのではないかと思います。

なんだか余計に「うわー、育休からの復帰って大変そう」と思わせてしまったかもしれませんが、こうして同じ課題を持つママ同士で励まし合ったり、ノウハウを共有・公開したりすることで、少しでも育休明けのジレンマが減るといいなぁと思っています。また、日本企業のあり方、管理職の人たちの理解なども変わっていってほしい!

東大ママ門では、それぞれの会社でママとしてパイオニアになる人たち、人事部にいる人たち、霞が関にいる人たち、専門家などのネットワークを生かし、社会を少しでも変えていきたいし、多様な女性の生き方のルートを提示していきたいと思っています。

東大ママ門 東大卒ママの同窓組織

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とうだいままもん / Todai mamamon

団体概要:2011年のホームカミングデ-をきっかけに発足した東大卒業生の同窓組織。現在、0歳~小学生の子を持つ層を中心に、20~40代の東大卒のママ(一部プレママ)160人が登録。「子育てをしながら働き続けるつもりだが、会社内にはまだロールモデルがいない」「子どもの教育観について、近所のママ友にはどこまで打ち明けていいかわからない」などの悩みを、同じ大学出身という共通基盤の下にFacebookのグループページ(非公開)で共有したり、オフ会、勉強会などで情報交換している。立ち上げの経緯はこちら(リンク)。

立ち上げ人:中野円佳:2007年、東京大学教育学部卒。『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)著者。同著では制度が整ってからも総合職女性が活躍しづらい社会構造を指摘。東大ママ門や本連載と直接関連はないものの、高学歴女性の抱えるジレンマについて触れている。

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