東京からもっとも近い被災地・浦安(3)

読者からの声に応えて続編を再取材

東京にもっとも近い被災地・浦安現地ルポ3

昨日(15日)は、「東京にもっとも近い被災地・浦安」のルポを2回に分けてお届けした。

浦安周辺にお住まいの読者を中心に多くの反響を頂いた。「東京近郊でこのような大きな地震被害があったことをはじめて知った」という反応も多く、中には浦安市内に住んでいる方(被害の少ない元町地域)からも、「市内がこのような大変な事態になっているとは知らなかった」との反応もあった。そこで東洋経済オンラインでは、微力ながらも、引き続き浦安の被災状況と復興の歩みについてレポートしていく。

浦安市は3月14日、千葉県に対し、国に対し激甚災害指定を申請するよう要請した。千葉県は旭市などととりまとめて、国に申請する予定だ。

浦安市の被害額は推計733億円

市は県に対し現在までに把握できた被害額を県に届け出たが、その被害額は道路、下水道の損傷などあわせて733億円。

現在、市の災害対策本部や広報に対し、市民から多くの問い合わせが集まっている。その中でもっとも多いのは上下水の復旧のめどについてのものだという。が、上水については3万7000戸で断水状態になっているが、「17日復旧を目指す」という当初見通しから大幅に長引きそう。現時点では、給水所を15箇所に設置しているが、今後は元町地域(液状化現象が起きなかった埋め立てではないない地域)でも断水の恐れがあるため、給水拠点の拡充が必須になりそうだ。

下水管については、復旧工事にまったく手をつけることが出来ない状態だという。現在、高洲1~2丁目、明海1・5丁目、今川1~4丁目、富岡4丁目、弁天1~4丁目、美浜3・4丁目、入船4丁目、舞浜3丁目、東野3丁目、海楽1丁目、鉄鋼通り1・2丁目の各地区の一部で使用できないほか、千鳥地区、鉄鋼通り3丁目の全域で使用制限を掛けている(昨日配信のその2では下水についても埋立地全域で使用不可と記載しましたが、誤りでした)。下水道の使用制限を受けている戸数を市では把握していないが、広報担当者によると「上水を使えない家庭3万7000戸の半分程度ではないか」とのことだ。

現在、市のバキュームカーが汲み取り作業を行っている仮設トイレは227台。多くの市民が不便な生活を強いられている状況だ。

被災地には総戸数980戸の大型マンションも

浦安市の埋立地は大型マンションが集まる地域でもある。最大規模のものが1979年築の美浜東エステート(日本住宅公団)で、11階建て980戸に及ぶ。入船には入船東エステート(1982年築、807戸)、入船西エステート(1981年築、789戸)のような竣工から30年が経過した大型マンションもある。

こうした大型マンションでは住民が給水に行くことが難しいケースもある。浦安市ではこうした事態を想定した防災計画を策定している最中だったが、今回の震災には間に合わなかった。

浦安市内には総戸数200戸以上の大型マンションが38棟もある。こうした大型マンションでは水道やトイレが使えないことによる生活の不便さはきわめて大きく、一時的に他の場所へ移住している住民が多いようだ。しかし、移動がままならないような高齢者にとっては、自宅への水の運搬などが大きな負担となる。

埋立地における大型マンションは液状化により、出入り口などの周辺インフラも損傷しておりきわめて住みにくくになる。埋立地の危うさをあらためて示したといえる。
■東京からもっとも近い被災地・浦安(1)
■東京からもっとも近い被災地・浦安(2)

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