社会貢献支出の多いトップ50社とは? トヨタ224億円、サントリー81億円etc

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2位はサントリーホールディングスの81.1億円。CSR活動の重要テーマである「水のサステナビリティ」を基本に水問題の解決に積極的に取り組んでいる。全国13都府県17カ所での水源涵養活動、水の大切さを伝える次世代環境教育プログラム「水育(みずいく)」を「森と水の学校」、「出張授業」を柱に展開する。

また、サントリー文化財団による出版助成、学芸賞の運営など、「利益三分主義」に基づく生活文化の豊かな発展と次世育成への貢献も行う。

復興支援には2011年43億円、2012年20億円、2013年25億円、2014年20億円の義援金を拠出。「漁業の復興支援」、「未来を担う子どもたちの支援」、「文化・スポーツを通じた支援」を活動の柱としている。

市民講座や森林保全活動などに支出

3位はアステラス製薬の80.3億円。同社は2012年まで日本国内の支出のみで開示していたが、2013年度から支出額の定義を海外も含むよう見直し、より実態に近い数値となった。

「がんサポートフォーラム」など一般市民を対象とした市民講座の開催、発展途上国から研修生の受け入れ、先進国での新薬開発ノウハウを学ぶ機会の提供や、インドネシア保健省が実施する同国島嶼地域での「保健衛生指導員育成プログラム」の財政支援など本業に関係する取り組みを多数実施。小学生を対象とした「ちびっこ科学教室」の開催といった文化活動にも積極的だ。

復興支援としては、知的障害を持つ社員が育てた花を被災地の仮設住宅や地域の市民センターに寄贈、労使による募金活動を行い日本赤十字社への寄付などを行っている。

4位はJTの77.8億円。森林保全活動、「JT国内大学奨学金制度」など幅広い活動を行っている。被災地には基幹産業である農業復興への貢献を目的に自社で開発した米の品種を権利とともに陸前高田市へ寄贈。同市の地域ブランド米として育成のアドバイスもしている。

以下、5位NTTドコモ71億円、6位キリンホールディングス69.9億円、7位日本生命保険57.1億円、8位三菱商事39.2億円など日本を代表する大手企業が並ぶ。

経常利益に対する額で見てみると…

このように金額ランキングでは超大手企業が上位を占め、それ以外の企業は存在感が薄い。一方、日本経済団体連合会(経団連)設立の「1%(ワンパーセント)クラブ」では「経常利益(法人)や可処分所得(個人)の1%以上を目安に社会貢献活動に支出しよう」と呼びかけ、身の丈にあった活動を推奨している。

そこで、この「1%クラブ」を参考に、企業の規模に応じた貢献がわかるよう経常利益に対する社会貢献支出額が占める比率を「社会貢献支出比率」とし、毎年ランキングを作成している。バラツキをならすために経常利益と社会貢献支出額はそれぞれ3年平均で計算。さらに利益が低く比率が高くなる企業を除外するため、売上高経常利益率1%以上、ROEはプラスを条件とした。

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