IQ高い人がフェイクニュースに騙される真の理由 「自分は客観的だ」と思ったとたんにもう罠の中

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「私はあなたの意見に完全に同意する。私は、進化論が説明しきれていない膨大な問題のすべてに答えを持っているわけではないとはっきりと認める。私たちの唯一の違いは、私はあなたより未解明の問題ではなく、すでに解明ずみの問題についての説明に重きを置いていることだ」

誰にでも、自分の信念や人生の選択を批判されることはある。自分の意見を批判されると、相手を「意地悪で、情報に疎く、理不尽な人」だと決めつけたくなる。確かにそのような人たちはいるが、すべての人がそうであるとは考えにくい。

「相手のほうが正しい」と認められるかが基準

本当に真実を知ろうとしている人と、ただ頭でそう思っているだけの人を分けるのは、「正当な批判を認める」「今回は『相手のほうが正しい』と言える」「自分の間違いを認められる」といった行動をとっているかどうかだ。

もし自分の意見を批判されたとしたら、こう考えてみよう。

「自分とは違う考えだが、理にかなっていると思えるもの(その意見を持つ人を知らなくても)はないだろうか?」

「自分は理性的で、賢く、知識がある」と感じているのと、それを実践していることは、別の話だ。

ジュリア・ガレフ 作家、ポッドキャスター

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Julia Galef

「応用合理性研究センター」共同設立者。10年にわたってポッドキャストの番組「Rationally Speaking(合理的な話し方)」のホストを務め、高名な科学者、ジャーナリスト、さまざまなジャンルの識者・思想家へのインタビューを行なってきた。『マッピング思考』(東洋経済新報社)はその集大成として、人間の心が持つ合理性と非合理性、客観的思考を俯瞰した作品。全世界で翻訳出版され、たちまちベストセラーとなっている。

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