玉川徹氏「謝罪・復帰」に抜け落ちている重大視点 テレ朝は「政治的に」「演出」を問題視してないのか

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局員が出演して「意見を述べる」ことは、イコール「局の意見」なのである。

スタジオに出されたスイーツなどを食べて「うまい」「口に合わない」などという類いの話なら別に〝個人の意見〟で構わないのだが、「政治」「外交」などに関わるテーマに関しては、「テレビ局を代表した見解」ということになる。

なので、他局の場合、情報番組やいわゆる「ワイドショー」に社員がコメンテーター的な立場でする場合は、報道記者であるケースがほとんどである。

例えば私が番組草創期に関わっていた日本テレビ「スッキリ」の場合は、報道局社会部のベテラン記者である下川美奈氏を起用している。

また政治がテーマの際に政治部の局員記者が出演する際なども、あくまで「解説」をするのであり、政治部記者が「オピニオン」を述べることは基本的にない。

しかし「モーニングショー」では「局員」である玉川氏に「意見」を発することを許してきた。

玉川氏は舌鋒鋭い批判の一方、物議を醸してきた

これまでも、新型コロナへの政府対応について、〝舌鋒鋭く〟批判を繰り返してきた。

そんな「モーニングショー」の番組内容は、高齢者を中心とした視聴者層にウケがよく、高い世帯視聴率を獲得してきた。

この状況の中で、玉川氏に対して番組プロデューサーなどのスタッフは、「コントロール」ができていたのだろうか。

玉川氏は1989(平成元)年入社の59歳である。

現在、情報ワイド系の「現場プロデューサー」はおおむね40代半ばから50代前半までというのが、各局にほぼ共通した体制である。

玉川氏からみれば「後輩」であり、番組スタッフから見れば玉川氏は「先輩」なのだ。

玉川氏の鋭い舌鋒は、物議を醸すことも多々あるのだが、その発言内容を番組サイドはどれだけ「承知」していたのだろうか。

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