秋葉原ダイソーで激しく売れる「棒」の正体 ひとり30本のまとめ買いも!

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

まず、一般に売られているペンライトには、主に2種類ある。ひとつは、電池式で価格は安くて500円くらいのもの。色や明るさが切り替えられるものは、2000~3000円が相場のようだ。もうひとつは、夜釣りや防災グッズとしても使われるケミカルライトやサイリウムと呼ばれる商品。折ると2種類の液体が混ざり、その化学反応で発光するタイプのものだ。価格相場は100~200円といったところか。「激しく光る棒」は、後者だ。従来品(「太い光る棒」や「極太光る棒」)より強く発光するのが特徴である。

ライブでペンライトを使う動機は、応援したいという気持ちのほか、目立ちたい、テンションを上げたいというニーズもあり、高輝度の商品が求められる傾向にある。同商品も、オタ芸(ペンライトを使った、アイドルを応援するためのパフォーマンス)を見たバイヤーが、「従来品では照度が足りない」というネット上の口コミをキャッチしたことから、メーカーとの開発がスタートしたという。

発光時間の長さに比例して価格も上がるため、持久力のある商品は照度を抑えたものが多い。そんな中、同商品は、発光時間が短いものの(オレンジが10分、そのほかは20分)、「100円で輝度の高さを楽しめる」と、コスパのよさで支持を集めている。ちなみに、断トツ人気はやはり輝度の高いオレンジだそう。

飛行機への持ち込みも可能なので、遠方で開催されるコンサートにも持っていける。通販などでまとめ買いをすれば100円を切る商品もあるが、ダイソーは国内2800店舗を展開しているので(2014年3月時点)、在庫さえあれば気軽に買いに行くことができる点もよいのだろう。

ツイッターや動画を使ったPRで人気に拍車

また、同社は、「急造クリスマスアカ(激しく光る棒 シロ)」というツイッターアカウント(現在はつぶやき終了)を開設し、「この店舗でも販売してほしい」という消費者の声に対応しながら、販売店舗を拡大していった(最終的に全店に導入)。

さらに公式HPでは同商品の特設ページを作り、消費者が同商品を使ったオタ芸動画も掲載(下記の動画は、消費者グッチーさんによるもの)。ネットを駆使して消費者を巻き込んでいく販促も、人気に拍車がかかった要因のひとつといえる。

 2014年3月には3色に加え、消費者から要望の多かったさらに明るい「激しく光る棒MAX」(オレンジ、発光時間は5分)も追加販売。発売初日に在庫がなくなる店舗も出るなど、さらにブレークした。同年6月に発売した「激しく光る長い棒」(オレンジ、15インチ、250円)も、消費者の声に応えて開発した商品だ。

次ページ規制強化でも、人気は止まらず
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT