5月までの日本株の値動きを予想しよう つかみどころのない今の市場の読み方

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2014年5月の富士山。今年もこれから山頂付近の雪解けが進むが、5月の「日本株の景色」はどうなるだろうか(まちゃー / Imasia)

このところの日経平均株価の動きは堅調である。だが、全面高という「喜びのダンス」を踊っている、という感は乏しい。

指数は堅調だが、上昇しているのは大型株が中心

東証1部における投資家別の売買動向をみると、2月月間の合計値では、信託銀行が2839億円の大幅買い越しとなり、外国人投資家の1764億円の買い越しを上回っている。

信託銀行は公的年金などの運用指示を受けて売買するので、買い越しの背後にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの資金があると推察される。ただし、マスコミ等で「官製相場」だと揶揄されるものの、実は2月後半は外国人投資家の買い越し幅が信託銀行を上回り、外国人投資家の買いが株価上昇を主導する色合いが次第に強まったと言える。

その一方で、個人投資家は毎週株式を売り越しており、上昇相場の先行きに懐疑的で、利食い売りや空売りを重ねたと考えられる。

こうした年金や外国人の買い、個人の売り、という図式により、機関投資家が主に買う大型株の値持ちが良く、個人好みの小型株が相対的に冴えない、という展開になっている。

TOPIX(東証1部株価指数)を規模別に分解して、小型株指数÷大型株指数の比率をみると、最近では1月6日をピークとして、低下傾向をたどっている。すなわち、ダンスを踊っているのは「大型株」だけで、小型株は冷めた様相だ。

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