「40~50代からの後半生」充実する人しない人の差 毎年1テーマ勉強を10年続ければ10領域に精通

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では、1つひとつ説明します。サンプルは私。私自身の実体験と共に、この3ステップを具体化してみます。

ちなみに、私は昔から計画を立てるのが大好きでした。10代の受験期には、試験のための計画時間と勉強時間がほぼ同じで、計画中毒といってもいいくらいでした。そんな計画好きのクセは40代になっても変わらず、ほぼ毎年、「中期計画」、「年次計画」、「PDCA」を自問自答で続けていました。

今でもパソコンの中には、過去につくったすべての計画が保存されています。ここでは、2010年時点に立てた計画を題材にしてみましょう。

3~7年程度の時間軸で中計を考える

①中期計画を立てる

中期計画は、だいたい3~7年程度の時間軸で考えます。その時点での自分の「現在地」、すなわち置かれている状況をまずは把握し、今後の目標や活動を設定していきます。たいていA4サイズ一枚の紙に書いていました。

(出所:『人生は図で考える』)

書き出すことは、自分にとって重要なこと。それより他にありません。

例えば、家族状況、仕事、資産形成、将来の目標、趣味などについて、それぞれ「重要視すること」を書き込んでいきました。

当時の私は、シニアパートナーに昇進して間もない頃で、仕事もチャレンジングでしたし、博士課程にも通っていたので、非常に多忙な時期でした。家のローンも抱え、ましてや貯蓄も多くない。文字通り「アップアップの状況」の只中で、どうにか長期展望と中期計画のバランスを取ろうと必死になっていました。

仕事も、家庭も、そして自分自身もが、いつも瀬戸際のような感覚だったのです。自分にとって重要なことを文字にするだけで、現在地とのギャップを感じさせられました。計画マニアの私でしたが、挫けそうになった時期でもありました。

ですが、この中期計画は他人に提出するわけではありません。いわば、自問自答。じっくり味わいながら、己と対峙すればいいのです。同時にこれだけは断言できますが、これをやるかやらないかで3〜7年後は明らかに違います。荒野に線路を敷くような効果があり、たとえ目には見えない線路であっても、あてのない旅路に目的地が生まれます。

それがあるかないかは雲泥の差です。繰り返しますが、用意するのはA4の紙とペン。いつから始めてもいい。思い立ったが吉日です。さっそく中期計画を書き出してみてください。

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