「炭水化物」は人類の敵なのか、味方なのか 「糖質制限ダイエット」巡り激突する2冊の本

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子供の頃には牛乳の分解酵素が豊富ですが……(写真:eugenesergeev / Imasia)

たとえば、日本人の多くは牛乳を飲みすぎるとお腹を壊すが、これは乳に含まれるラクトースを分解するラクターゼという酵素が大人になるとなくなってしまうからだ。

しかし、ヨーロッパやアフリカの一部の人々は、大人になってもラクターゼの働きが持続する。その割合が高い地域は牧畜が始まった地域に集まっており、人類は数千年の間に牛乳を飲めるように進化したのだ。

環境に適応するよう遺伝子が変化

また、高地に住むチベット人は、高山病にならないように数千年かけて独自の遺伝子に変化をしてきたことがわかっている。体のつくりを変えるような大がかりな進化は長い時間がかかるが、小さな変化は短時間でいつも起きている、というのだ。

旧石器時代の食生活を実践し、ワイルドに戻ったほうが健康にいいのか。それとも農耕文明にあわせて人類は進化したのだから、炭水化物をとる生活を続けるほうがいいのか。このどちらを選ぶかは、きわめて重要な人生の岐路かもしれない。医学博士と進化生物学者の主張を読み比べ、どちらを支持するべきか、じっくり考えてみるといいだろう。

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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