出世欲が消えた!人生を変えた「40歳婚」 自分時間ゼロになっても、もはや悔いなし

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恭一さんの話から推察すると、紗智子さんは情が厚くて頭がよく、自意識も高い女性である。付き合い始めて3年が経ったとき、恭一さんはプロポーズをするが、彼女の返事は「結婚してもいいけれど籍は入れない」。事実婚宣言である。

「僕は入籍したいと思っていましたが、彼女の意向を尊重して了承しました。この時点で僕たちの意識としては『結婚』したわけです。ちなみに彼女は結婚式もしないと言いました」

事実婚した日を境に2人は避妊することをやめ、紗智子さんはすぐに妊娠。すると、紗智子さんの心境に変化が出た。挙式はしないがお披露目パーティだけは開き、子どものためを考えて入籍もしたのだ。

ただし、姓を変えたのは恭一さんのほうである。紗智子さんの母親が亡くなった直後に父親も倒れてしまい、妊娠中でありながら看病もしなければならなかった。姓を変えると書類上の手続きがとにかく煩わしい。精神的に負荷がかかる人もいる。

疲れ切っている妻を横目に、飲みになど行けない

一緒に住み始めてから、賢くて判断力にも富んだ紗智子さんに恭一さんはますますほれ込み、夫唱婦随ならぬ「婦唱夫随」の姿勢をとっていた。そして、自分のほうが姓を改めることに決めた。

「でも、彼女はいまだに僕のことを鈴木さんと呼ぶんです。変ですよね。ハハハ。僕のほうですか? 紗智子さんと呼んでいます。当然、呼び捨ては許されません」

朝は5時に起床して、授乳中で睡眠不足になりがちな紗智子さんを起こさないように、子どもたちを寝室から連れ出しているという恭一さん。ゴミ捨て、食器の片づけ、洗濯物の畳み、などの家事も済ませてから出社し、残業は絶対にしないようにしている。そこまでやるのは、父性愛や紗智子さんへの恋愛感情だけではないと明かす。

「出産に立ち会ったのが大きかったです。人によって感じ方は違うと思うけれど、僕はガーン!と来てしまいましたね。出産はすごいことです。これだけのことを彼女がしてくれたのだから、自分ももっと家族のために何かしなくちゃと思いました。

実際、会社から帰ってくると、子どもたちの世話で彼女が疲れ切っているのです。下の娘は授乳中なのに、上の娘は『いやいや期』ですからね。僕が何とかしなくちゃ、と思いますよ。飲みに行っている場合じゃありません」

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