日本再上陸「フォーエバー21」の驚くべき大変身 使い捨て代表から環境配慮型ブランドに変貌

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商品面でも大きな変革を掲げている。再上陸にあたってアダストリアが掲げたのは“トレンド&ハイクオリティへの転換”。

「フォーエバー21のファッションブランドとしてポテンシャルと、アダストリアの環境と人に配慮したサプライチェーンマネジメント(SCM)を軸に、1400万人以上の会員を保有する自社EC、店舗開発力、商品開発力などの強みを掛け合わせることで、かつての大量生産・大量販売・大量廃棄といった悪いイメージから脱却し、現在の日本マーケットにローカライズしたファッションをお届けする」(プレスリリースを要約)という。

業界の「やり手」が会見に登場した意味

筆者は出席できなかったのだが、記者会見の壇上には懐かしい顔があった。イギリスのセントラル・セント・マーチンズを卒業後、自身のブランドである「イリアド」「ヒース」を立ち上げた後、ユニクロ、ジーユーで商品企画を担当していた野田源太郎氏だ。

モードと大衆ファッションの両方を経験してきた日本では稀有な人物で、今年に入ってからアダストリアのクリエイティブディレクターとして入社し、同社のクリエイティブを担当していくという。

クリエイティブディレクターの野田氏がフォーエバー21のクリエイティブを担当する(写真:アダストリア提供)クリエイティブディレクターの野田源太郎氏

おそらくフォーエバー21は以前のように表立って大きな存在にはならないし、なれないと思う。でも、環境に配慮した新しいライセンスビジネスの形として成功する可能性は十分にある。今後の進捗を注意深く見守っていきたい。

増田 海治郎 ファッションジャーナリスト

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ますだ かいじろう / Kaijiro Masuda

1972年埼玉県出身。神奈川大学卒業後、出版社、繊維業界紙などを経て、2013年にフリーランスのファッションジャーナリストとして独立。『GQ JAPAN』『MEN'S Precious』『LAST』『SWAG HOMMES』「毎日新聞」「FASHIONSNAP.COM」などに定期的に寄稿。年2回の海外メンズコレクション、東京コレクションの取材を欠かさず行っており、年間のファッションショーの取材本数は約250本。メンズとウィメンズの両方に精通しており、モード、クラシコ・イタリア、ストリート、アメカジ、古着までをカバーする守備範囲の広さは業界でも随一。仕事でもプライベートでも洋服に囲まれた毎日を送っている。著書に『『渋カジが、わたしを作った。』

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