ホンダ「ジェイド」、乗ってわかった真の実力 新型ミニバンがストリームを名乗らないワケ

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ジェイドのインテリア(写真はホンダHPより)

室内の全体的な雰囲気も、3~4代目オデッセイではミニバンっぽさをあえて残した印象のあったところ、ジェイドは低床で乗用車っぽい。また、他のHVではハイブリッドバッテリーをラゲッジ床下に搭載しているところ、ジェイドではラゲッジの床面の低さを優先してセンターコンソールに配置したことも特徴だ。

これによりウォークスルー性は損なわれるが、パーソナルな室内空間が創出される。これは良し悪しではなく好みの問題だが、この部分がどうなっているかによって、車内の雰囲気は大きく変わるものだ。さらには、まるで高級サルーンのようなインパネが印象的。アイボリー色を選ぶと車内は明るい雰囲気になり、大胆に張り巡らされた木目調パネルの質感も斬新で、個人的にも好感を抱いた。

旧型オデッセイよりアコードワゴンに近い

ジェイドはパッケージングとしては、オデッセイの後継というより、「アコードワゴン」に非常用の2座席を付けたクルマだといえそうだ。ただし、3~4代目オデッセイユーザーはもとより、現在ミニバンを愛用している人であっても、本当はこれで十分という人は少なくないはず。

燃費の面でも、JC08モード値でガソリン1リットル当たり25.0キロと公表されているとおりで、実際にも悪くはなさそうだし、上質感のあるインテリアを持ち、走りもよく乗り心地も快適という優位性もジェイドにはある。

別に3列シートをそれほど使うことがなくても、圧倒的な広さを求めて箱型ミニバンを選ぶのは自由だが、3列シートの使用頻度が低く、広さはそれなりでよく、走りや燃費を重視する人にとっては、いたって合理的な選択肢にはなりうると思う次第である。

岡本 幸一郎 モータージャーナリスト

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おかもと こういちろう / Koichiro Okamoto

1968年、富山県生まれ。大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の編集記者を経て、フリーランスのモータージャーナリストとして独立。軽自動車から高級輸入車まで、国内外のカテゴリーを問わず幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでも25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに有益な情報を発信することを身上としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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