「リスク経営」のエフピコがERPを刷新する理由 食品トレー業界「サステナブルへの取り組み」

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「未来のリスク」を見据えた会計システム刷新

スーパーの入り口で、使用済みの食品トレー容器の回収ボックスを見かけたことはないだろうか。店頭で集められたトレーは工場に運ばれてリサイクルのプロセスに入る。この仕組みを約30年前に開発して全国に普及させたのが、食品トレー容器の製造販売を手がけるエフピコだ。

まさに時代を先取りした取り組みだが、専務取締役経理財務本部本部長の池上功氏は、「ESGありきでやったわけではない」と解説する。

専務取締役池上氏
専務取締役 経理財務本部 本部長
池上 功 氏

「生き残るためにやったのです。もし消費者が不買運動を起こしたら、もう手の施しようがなく、事業を存続できません。火がつく前に手を打って備えることが我が社のポリシー。仕組みを定着させるために莫大な投資をしましたが、おかげで全国のスーパーマーケットにリサイクルの輪が広がりました」

予見していたリスクは環境対応だけではない。近年、物流のコスト増や人員確保が問題になっているが、同社は自社物流網を早くから構築。サプライチェーン・マネジメント(SCM)による中央集中管理システムを構築し、生産から納品・使用済みトレーの回収に至るまでに発生するすべての物流活動の最適化を図ってきた。

「商品を売り出したいとき、手元にトレーがないとタイムリーに棚に並べられない。スーパーマーケットにとってはチャンスロス。我が社はお昼までに注文いただければ、翌日の指定時間前後に届けられる物流網を構築しました。荷降ろししたトラックは回収したトレーを載せて帰ります」

同社の強みでもある「リサイクル」と「物流」は、時代の変化を先読みして、リスクが顕在化しないうちから手を打ってきた結果なのだ。

さて、「リスク経営」を標榜するエフピコは現在、会計システムを刷新して「Oracle Cloud ERP」の導入を進めている。今回のプロジェクトは、従来の会計業務が抱える問題点を解消するだけでなく、将来のリスクに備える布石でもあるという。はたして新たなリスクとは何か。プロジェクトの全貌はPDFをダウンロードして確認してほしい。

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