銀座線「季節外れ」ダイヤ改正で混雑どうなった? 8月末ダイヤ改正で1時間18本が12本に減便

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銀座線は、いつ乗っても混雑している印象がある。8月10日、渋谷14時31分発の列車に乗ってみた。2号車に乗車する。発車時点で空席はあるものの、あえて座らない乗客も多い。赤坂見附から混雑が激しくなり、立客を含めた定員近くに達した。

虎ノ門からは1駅に1両ずつ各車両をチェックした。駅停車時にホームへ出て1号車へと移る。車内が混雑していて連結部を渡って移動するのが困難だったからだ。新橋・銀座ともなると立客多数、しかし3号車は空席はなくてもそれなりの空間があり、4号車・5号車はある程度の立客がいた。ところが浅草寄りの6号車まで行くと、降車の多い神田を過ぎていたこともあってか、空席も目立った。

銀座駅ホーム
壁画が描かれた銀座線の銀座駅ホーム(撮影:尾形文繁)

今度は浅草から15時13分発の列車に乗った。発車時点で割と混雑しており、立客もいたが、上野で多くが降りていく。日本橋を出て、今度は6号車から車内チェック。6号車は立客がいたが車内の移動も楽であり、5号車へと連結部を通って移動できた。5号車は立客も含め乗車率80%程度だったが、4号車は50%程度で通路が見通せた。3号車から1号車までは車内をスムーズに移動できる程度だった。

「本数削減」判断の理由は何か

コロナ禍は今も続いており、列車は窓を開けて換気している。そんな中で、混み合う路線ではさらに「密」になりそうな列車本数の削減を行うのはなぜか。実際に銀座線に乗ったうえで抱いた印象も含め、ダイヤ改正前に東京メトロに問い合わせてみた。

東京メトロによると、利用は一部回復のきざしがあるものの、コロナ前と比較して現時点では十分な回復が見込めないため、その状況にあわせて運転本数を見直したという。根拠となるデータも取得しており、混雑率は列車混雑計測システムから算出しているとのことだ。

これはホーム端に設置されたデプスカメラから得られた画像を用いて人工知能が算出するデータ、車両の応荷重データ、改札機通過データを統合して混雑率を算出するシステムで、全路線全時間帯の混雑率を確認している。ダイヤ改正後も各路線の混雑状況は注視し、利用状況を踏まえて適宜改正を行うとのことだ。

また東京メトロは、「東京メトロmy!アプリ」でリアルタイムの混雑状況を配信し、比較的空いた号車を選んで乗車できるようにもしている。確かに、銀座線では1号車と6号車が比較的空いている。

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