NASA宇宙飛行士の3人に2人がしていた習い事 日本の学校教育の弱点を補完する課題解決型学習

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世界中に組織があり、世界共通のビジョンは「より良い世界をつくる」です。現在約170の国や地域で約4000万人が活動に参加しています。これまででのべ2億5000万人以上の人類がボーイスカウト活動を経験しているといわれています。4年に1度、世界中のボーイスカウトが集う「世界スカウトジャンボリー」というキャンプ大会が開催されます。

小1から25歳までの一貫教育

日本にも1908年にはその活動が伝わり、1922年には日本連盟が設立されました。現在「ボーイスカウト日本連盟」傘下に約1800の「団」があり、約8万人が活動に参加しています。

団の中には学年ごとに「隊」が構成されます。小1〜2は「ビーバースカウト」、小3〜5が「カブスカウト」、小6から中3が「ボーイスカウト」、中3から18歳までが「ベンチャースカウト」、18歳以上25歳までが「ローバースカウト」と呼ばれます。

ボーイスカウトに対してガールスカウトといって女子だけで活動を行う団体もあります。ただし現在では多くのボーイスカウトが男女共学です。

隊ごとに年間計画を決め、さらにどこでどんな活動をするのかの詳細はみんなの話し合いで決めます。ボーイスカウト隊の中にはさらに異年齢6〜7人の「班」が組織され、班単位での自治が基本です。カブスカウト隊では、「組」が組織され、各組に「デンリーダー」と呼ばれる大人のリーダーがつきますが、ボーイスカウト以上になると原則子どもたちだけで決めます。

屋外活動だけではなく、清掃ボランティアや募金活動など奉仕活動も行います。さまざまな活動を通じて、自然観察、通信、救命救急、ロープワーク、キャンプ、ハイキングなどの技術を身につけます。

できることが増えるとバッジがもらえる

書き込み可能なテキストが学年ごとに用意されており、毎回の活動が終わると、その活動を通して自分がどんな技術を身につけたかを振り返り、記述します。新しい技術を習得したとみなされるとバッジがもらえます。制服の上に増えていくたくさんのバッジが成長の証しです。

ロープワークや応急救命手当などの技術はもちろん、たとえばボーイスカウト以上になると、自分でハイキングの計画を立て、先輩にお願いしてついてきてもらって、自分でハイキングに出かけるようになります。それでバッジを1つもらいます。さらに自分でキャンプの計画を立て、自分でテントを背負って、山に出かけて野宿します。それでまたバッジをもらいます。

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