スーツは「テーラード」で、ずっと愉しくなる プロが考える「男にとってのスーツ」とは?

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HAVERSACKの乗秀幸次氏

乗秀 僕にとってスーツはカバーオールと同じぐらいの位置付けです。スーツって、Gジャンとジーパンのセットアップにタイドアップするぐらいの感覚でいい。それぐらいカジュアルにスーツを着ていいと思うんです。それに昔よりスーツの幅も広がっているでしょ。変わった素材のスーツもたくさんありますよね。昔だったらシャツ生地でスーツを仕立てるなんて、考えられなかったのに。長く愛着を持って着てこそスーツだと思われていましたが、いまでは流行として一過性のスーツを着ることも許される時代だと思います。

スーツの重要な意味は、気分を上げること

松尾 もっと多くの人に普段からスーツを着てほしいと思います。世の中がカジュアル化していくなかで、タイドアップしてきちんとスーツを着ることを紹介する雑誌が少なくなってきています。世の中とは逆行するかもしれませんが、THE RAKE JAPANではきちんとスーツを着ることを提案していきたいんです。

スーツを着ることの重要な意味は、気分を上げることにあります。スーツって元々戦闘服ですから、着ることで気分を上げる。気分を上げるための材料としてスーツを活用するんです。ちょっとしたレストランに行くときスーツを着ていくと、スーツを着ているという自身の気分そのものも楽しめるはずです。

THE RAKE JAPANの松尾健太郎編集長

有田 レストランやバーでスーツを着ていくのは、その空間の一部に溶け込むことだと思っています。自分自身が空間の一部、インテリアの一部であるという意識を持って店に行けば、その店の雰囲気はとても良くなります。かつて男たちはバーで男を磨きました。そこではお酒の飲み方やタバコの吸い方だけでなく、スーツの着方も学べる場所だったのです。

スーツが似合う男になるために、必要なのはスーツを着ていく機会と場所。

松尾 もう1年半ほど、服好きな男性を紹介するブログを書いているのですが、ある程度おしゃれな人ほど、さらりとスーツを着ているように思います。一番多いのは、紺無地のスーツに白いシャツ。おしゃれを極めるとネイビーのスーツを着る。そこがひとつの終着点なのかもしれないとさえ思います。

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