香川照之が相次ぐ降板よりも痛い「最大の痛恨」 これまでの演技が疑われ、今後認められなくなる

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香川さんが今回の事態を招いた最大の理由は、さまざまな場所で噂話をされるほど酒癖が悪かったにもかかわらず、自分の行動を省みようとしなかったこと。現在56歳の香川さんには、何度も変われるチャンスはあったはずです。たとえば、自身が九代目市川中車、長男が五代目市川團子を襲名して歌舞伎に進出したとき、「半沢直樹」(TBS系)で急激に注目度を増したとき、その後CMオファーが続出したときなど、「もう変わらなければマズイ」と思えるタイミングではないでしょうか。

そもそも芸能人に限らず、本当に出禁になった店があるのなら、それは異常事態。「著しいマナー違反」「暴言や暴力」「犯罪行為」など、よほどのことがなければ出禁にはならないだけに、地位や責任のある人にとっては絶対に避けなければいけない事態であり、リスク管理を甘く見ていたとしか思えません。これは「所属事務所のリスク管理が甘かった」とも言えますし、健全なマネジメントではなかったことを露呈したほか、会社としても対外的な信用を失ってしまいました。

謝罪のフレーズににじむ自尊心

その「甘く見ていた」は、今回の謝罪コメントにも表れていました。

香川さんは「THE TIME,」で、「このたびは一部週刊誌報道におきまして、私事でお騒がせをいたしまして、みなさまにご迷惑、ご心配、ご心痛をおかけし、誠に申し訳ございません。私自身、自らの行動をしっかりと深く反省し、自戒の念をきっちりと持ってあらためてまた日々をつとめていきたいと思っています」「また、与えていただける仕事に対しましては、しっかりと真摯に、マジメに、一生懸命、全力で、これまで通り挑んでいきたいと思っています」「そして何より、こうして一日をまた与えていただいていること、このことへの感謝を忘れずに過ごしてまいりたいと思います」などとコメントしました。

「私事」「私自身」「自らの行動」「自戒の念」「与えていただいている」「これまで通り挑んでいきたい」など、香川さんの言葉は一人称で自分目線ばかり。謙虚なように見えて自尊心の高さがにじみ出たフレーズ選びであり、被害者に対する言葉はありませんでした。

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