都会も地方も「似ている建物」で溢れている危機感 世界イチ住みたい街に携わる専門家の提言

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最後にまちの経済に少しずつ変化を起こし、まちの価値を上げていくための戦略として以下の5つを挙げておこう。

5つの重要な戦略

1.「組織づくり」 地域の雇用創出とそれに必要な活動の企画づくりを主体となって行う産学官民連携のチーム作り。
2.「都市デザインを考える」 地域経済を盛り上げるための都市空間やインフラの整備の場作り。
3.「市場開発」 関係人口の開拓や近隣都市とのパートナーシップを構築することにより、既存の市場と潜在的な市場を見える化する。
4.「事業開発」 既存企業が成長するためのサポート、スタートアップ企業への支援とそれに伴う規制緩和、ターゲット産業の企業誘致など。
5.「人材開発」 地元企業が必要としている人材の育成、誘致のための取り組み。
『ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる』(学芸出版社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

以上がまちの価値を上げて経済に変化を起こすための基軸となるものだ。

この5つの事項をまちは真剣に考え、時に臨機応変に、さらに柔軟に推し進めることによってまちは輝きを増す。それはすなわちそのまちの人々が豊かに生きてゆくことにつながり、さらにほかの人々を引きつけることになるのである。

山崎 満広 サステイナブル都市計画家/横浜国立大学客員教授

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やまざき みつひろ / Mitsuhiro Yamazaki

1975年東京生まれ。つくば市まちづくりアドバイザー、神戸市港湾局・神戸ウォータフロント開発機構アドバイザー、米国のデザインコンサルティング会社Ziba Design国際戦略ディレクター、大鏡建設顧問、ポートランド州立大学シニアフェロー、慶應義塾大学SFC上席研究員、横浜国立大学 客員教授等を兼任。著書に「ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる」、「ポートランド・メイカーズ クリエイティブコミュニティのつくり方」(学芸出版社)がある。公式サイトはこちら

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