なぜ原監督は「非情な決断」ができるのか セ・リーグ3連覇は「過去の話」

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東海大相模高、東海大時代は、父で監督だった原貢氏との親子鷹が話題になった。名門巨人にドラフト1位で指名されて以来、「ON時代」後の看板選手として野球のエリート人生をまっしぐらに歩んできた。さわやかで、やさしい「若大将」といったイメージが強かった。

波乱含みのセ・リーグのカギは指揮官の手綱さばき

しかし、実際には、厳しさは当然で、「大きな賭け」「ギャンブル」のできる勝負勘を兼ね備えた監督であることに気付かされる。

例えば、2014年5月10日の阪神戦(甲子園)では、引っ張り中心のプルヒッターである4番ゴメスを迎えて、三遊間に内野3人を集めたゴメス・シフトを敷いた。

同7月11日の阪神戦(東京ドーム)の6回表に西岡を迎えた場面では、内野5人、外野2人にした。無人のセンター越えで適時打になった原監督は「勝負にいったということ」と説明した。

この2つのケースをみても、なかなか凡将にはできない戦術は、原監督がカリスマになりつつあることを感じさせるケースでもあった。

春季キャンプも中盤から終盤へと差し掛かって、巨人は宮崎から沖縄入り。ヤンキースから新監督になった古巣広島に戻った黒田投手もチームに合流。波乱含みのセ・リーグは、ここから指揮官の手綱さばきにスポットが集まる。
 

寺尾 博和 日刊スポーツ新聞社大阪本社編集委員

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てらお ひろかず / Hirokazu Terao

てらお・ひろかず 日刊スポーツ新聞社大阪本社編集委員。阪神、近鉄、南海、ダイエーなどを担当、野茂英雄のメジャー行きから現地に派遣される。2004年球界再編を取材、2008年北京五輪、09年WBCなど国際大会などで日本代表チームのキャップを務める。現在は主に東京五輪での野球ソフトボール復活を取材中。ミニストップ社とコラボでオリジナルスイーツ作り、オリジン社と弁当開発を手掛けて全国発売するなど、異色の名物スクープ国際派記者。大体大野球部出身。福井県あわら温泉生まれ。趣味はスポーツ、歌舞伎、舞台鑑賞。毎週木曜日にABC朝日放送「おはようコール」のコメンテーターとしてレギュラー出演。

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