実録!メタバースビジネスのメリットと課題 メタバースの特性を生かすサービスなのかが鍵

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筆者が運営するウズウズカレッジでも、2022年1月よりメタバースを活用した教育サービスを模索し始めた。メタバースを教育領域に活用しようとしたのは、コロナ禍によって進んだ教育サービスのオンライン化の「弱点」を解消できると思ったからだ。

コロナ禍以前は生徒が教室に通う通学型が主流だったが、コロナ禍によって急激にオンライン化が進んだ。それにより教育サービスは大勢で集まる集合型から個別型に移行し、講師とのコミュニケーションもZOOMやチャットで完結するようになった。また講義も動画化され、eラーニングで完結する学習スタイルが確立された。

この変化自体はむしろ非常にポジティブだったと思う。なぜならば、学習は「個別最適化」したほうが効率も上がるし、教室の賃料や受講生の移動費などのコストを抑えることができるからだ。

しかし通学型のほうが、個別オンライン型に勝っていた点もあった。それは、「グループワーク」と「実習」だ。

メタバースでグループワークをやってみた

オンライン化した教育では、どうしても講義は動画やZOOMでの講義のように一方的になりやすく、実習をやろうとしてもリモートでは実施コストがかかりすぎる。(例えば研修で使う実機を受講生の自宅に郵送し、実習を行うことはできるが、1人1台割り当てる必要があるうえ、輸送コストも馬鹿にならない)。

このようなオンライン化した教育の課題を解消できるツールとして筆者は「メタバース」の利用を考えた。メタバースであれば、ZOOMなどのライブチャットよりも実際のコミュニケーションに近い没入感があるため、より効果的なグループワークができると考えたのだ。

筆者は実際にある県のIT職業訓練型の就業支援事業において、VRゴーグルを受講生全員に配り、メタバース環境でのグループワークや朝礼を実施した。

結果としてメリットも感じたが、同時に今後の課題も出てきたので、実際にメタバースをビジネス活用した実験例として気づいたことを次のページでまとめる。

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