「なぜモラハラ夫と結婚を…」元妻たちの深い後悔 何度言っても子どもができても状況は変わらず

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怒らせることが面倒でもあり、怖くもあり、モラハラ配偶者をもつパートナーは、ありさのような“相手を怒らせずに生活しよう”という思考回路になっている人が多い。

みちえ(51歳、仮名)は、8年前に離婚をした。息子が1人いるのだが、今年の春に専門学校を卒業して社会人になり、それをきっかけに婚活をすることにした。

「婚活アプリに登録して、何人かの男性と会ったんですけど、どうもうまくいかない。1、2度食事をして、こちらが“違うな”と思うときもあるし、私が“いいな”と思う人は、連絡が来なくなったり。あと、やりとりをした人のなかには、結婚相手というより、ただご飯を食べたりお酒を飲んだりできるガールフレンドが欲しいと思っているような人もいて。アプリには限界を感じたので、活動場所を結婚相談所に変えようと思ったんです」

みちえは、趣味がヨガやダンスというだけあって、スタイルも良く、年齢を感じさせない若々しい美人だった。

焦っていたので結婚してしまった

13年間結婚をしていた元夫のまさのり(52歳、仮名)も、ささいなことでキレては、暴言を吐く人だったという。

「付き合っているときから、その兆候はあったんです。最初は友達がセッティングした飲み会で出会ったんですが、彼が私を気に入って猛アタックをしてきた。私も30歳目前だったし、当時は地方に住んでいたので、地元の友達はほとんど結婚していて。私も結婚しなきゃと焦っていたので、1つ上なら年頃もいいかと、押されるがままに結婚してしまいました」

新居は、彼の実家の二世帯住宅の2階だった。外階段で2階に上がれるようになっていたので、玄関もキッチンもお風呂も親とは別々だった。

「義父母が近くにいるのはわずらわしいと思う反面、何かトラブルがあったときには力になってくれるだろうという気持ちもありました。キレやすい人なのは、結婚前からわかってましたが、何かあったら義父母に言い付けてやろうと、簡単に考えていました」

結婚してからも元夫は、よくキレた。キレると差別用語や放送禁止用語を大声で怒鳴りながら、家の中をメチャクチャにした。一番怖かったのは、包丁を持ち出したときだったという。

「次の日、会社で重要な会議があるから、早めに夕食を済ませて就寝したかったみたいなんです。そんな事情を私は知らないから、『今日は、お友達と夕食を済ませて帰るから遅くなる』と、会社から彼の留守電に入れて、23時近くに帰ったんですね」

リビングには、鬼の形相の元夫がいた。

「『遊んできたのか?』と、いきなり台所の棚下から包丁を取り出したんです。最初は刺されるのかと思いました」

すると、元夫は驚きの行動に出た。

「まな板を取り出し、何も置かれていないまな板に包丁を、トントントントンと何回も振り下ろしているんです。もう私、びっくりしてしまって」

次ページ義父母の元に駆け込んだが…
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