メイコーの宮城、福島工場は被害深刻、復旧のメドはたたず。山形工場は損傷軽微【震災関連速報】

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メイコーの宮城、福島工場は被害深刻、復旧のメドはたたず。山形工場は損傷軽微【震災関連速報】

携帯電話や車載向けの配線基板メーカー、メイコーは11日に発生した東日本巨大地震の影響を受けて、主力生産拠点の操業停止が続いている。

福島工場(福島県双葉郡広野町)は地震直後にラインを停止。人的被害はなかったものの、東京電力の福島原子力発電所の半径10キロメートル以内の立地であることから、避難勧告の対象になっており、人が立ち入れず、操業停止の状況が続いている。
 
 宮城工場(宮城県石巻市)も津波の影響で1階全部と2階の一部が浸水。現在は操業を停止している。震災当時に勤務していた従業員は屋上に避難し、安全確認がされているが、夜勤労働者の現状把握はできていない。

山形工場(山形県西村山郡河北町)は損傷軽微。人的被害もないが、現在、設備の点検中のため、操業を一旦停止。電力や資材などのインフラのメドがつき次第、復旧する見通しだ。

福島工場は、メイコーの国内生産拠点の中核を担う。プリント配線基板の中でも車載向けやスマートフォン向けの高付加価値品を多く生産。スマートフォン向けの需要好調を見込み、11年中に30億円を投資し、新棟の増設を決定したばかりだ。だが、今回の被災で増設の大幅な遅れは決定的となるもよう。

会社側は被害の把握に全力を挙げている。日中の労働者の無事は確認されたが、携帯電話の不通が続き、夜勤労働者の現状確認ができていない状況。山形工場は早期復旧が見込めるが、福島工場、宮城工場に関しては被害が深刻、当面の復旧は見込めそうもない。

メイコー自身も今回の地震による工場停止によるインパクトは算定できていない。業績面にネガティブな影響を与える可能性が高い。ただ、その詳細などについての算定は現段階では難しく、「東洋経済オンライン」は下表の予想を据え置く。今後、詳細な情報を得ながら、順次予想を見直す可能性がある。

(伊藤 崇浩 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2010.03  69,823 3,793 2,695 1,828
連本2011.03予 77,000 3,800 2,300 1,500
連本2012.03予 88,000 6,000 5,300 2,900
連中2010.09  38,375 2,009 1,289 873
連中2011.09予 43,000 2,850 2,650 1,400
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2010.03  107.4 20 
連本2011.03予 79.9 24 
連本2012.03予 154.5 24-26 
連中2010.09  47.3 12 
連中2011.09予 74.6 12-13 
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