激しい喉の痛み「コロナ」に感染した医師の体験記 いつも以上の疲労感、異変はダルさから始まった

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コロナ感染後に帯状疱疹が増えていることはすでに論文で報告されており、また、自分は皮膚科医であるため、さっと診断がつきました。幸い症状は軽症でこれは数日で完治しました。

喉の痛み、咳、腹痛は10日間ほどで消えたのですが、つらいのはその後も倦怠感が持続したことです。とにかく体がだるい。ずっと体のどこかで炎症が続いている感じです。

発症から2週間が経過しても、倦怠感は抜けず、起き上がって仕事をしてはその後横になって体を休める生活をしています。

今思えば、隔離解除後も無理をして出張に行ったため、それが良くなかったと思います。いつまでこの倦怠感が続くのかとても不安になることがあります。

ワクチンを3回接種していたことで重症化は免れた

しっかり感染対策をしていても、周りでコロナ感染が増えています。私の症状以外に、高熱を出す人、肺炎になって入院する人の話も聞きます。

幸い、私はコロナワクチンを3回接種していたため、重症化することなく隔離解除となりましたが、オミクロン株でも上記の通りきつい症状を経験しました。

オミクロンは軽症という間違ったイメージが広まっています。デルタ株に比べて軽症であるのであって、感染した者の感想としてはだいぶつらいです。

働き盛りの人にとって長く続く倦怠感はやっかいなものです。私も仕事のパフォーマンスはコロナ感染後に明らかに落ちています。症状には個人差があるため、私よりも軽症な人もいれば重症な人もいるでしょう。ただ、それは事前にはわからないため十分に注意したほうが良いと思います。気をつけていても感染してしまうリスクはありますが、3密を避け、手洗い・マスク・うがいをしっかりすることが大切ではないでしょうか。

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman
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