今起きている「Web3」で変わる世界の新しい仕組み ブロックチェーンによって情報の流れが変わる

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OSSは多くのエンジニアの目に晒されながら開発が進められるため、脆弱性が見つかった場合は迅速に修正されたり、便利機能が積極的に開発されたりすることも非常に多い。

言わば「時の試練」に常に晒され続けた代物になるため、自分で独自に開発したソフトウェアよりも格段に性能もセキュリティも高くなっている。言うなれば、OSSを利用することは「巨人の肩に乗ること」と同義なのだ。

オープンソースという文化はインターネットの登場によって、さまざまなムーブメントを生んできた。共有知を集約するための百科事典から、開発者の開発者による開発者のためのソフトウェア開発、Big Techに遜色ない品質の実現などだ。

インターネットとそれを土台に育まれているオープンソースという文化は、インターネット誕生以前とは異なるレベルで、人々のコラボレーションを実現してきたのである。

競争が生み出す価値とインターネット

ありとあらゆる分野にインターネットの影響力が入り込んでいき、デジタル技術が関わっていない領域など皆無と言っても過言ではないほどに広がりを見せている。

この拡大の原動力になっているのは、「競争」のメカニズムだろう。

史上空前のビジネスチャンスを見つけた数々の起業家や投資家によってさまざまなビジネスやサービスが生まれた。ここには、ビジネスが競争により切磋琢磨して、新しい価値を生み出す仕組みが背景にある。

言い換えれば、この競争の仕組みがさまざまな産業を発展させたと言えるだろう。

一方でこのような見方もできる。

そもそもインターネットとは、本来、公共財だったのではなかったのではないか。

にもかかわらず、ほとんどの場合、我々一般人はインターネットという人類共通の資産に対して、高度に商業化されたサービスを通してアクセスしている。そのサービスは他のプレイヤーとの「競争」に勝つために、さまざまな囲い込みや独自化を行っている。

この構造は果たして健全なあり方なのだろうか。

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