「なまり節ラー油」は、どのように生まれたか

高校生が動けば、地域活性化が動き始める

地元の水産加工業者も支援をした

小川さんは振り返ります。

「高校生の活動を見て、大人の中では、『工場を貸すよ』『原材料を出すよ』『ここで売ってみたら?』という声が聞こえるようになりました。気づいたら多くの方々と共に歩き出していました。高校生の地元に対する思いが地域の未来を切り開いたんです」

プロジェクトでは、地元の食品加工業者、料理研究家やコピーライター、ブロガーなどの協力を得て、クラウドファンディングサイト「READY FOR?」での資金調達も達成、全国販売が実現しました。なまり節ラー油は、なまり節とラー油の程良い辛味がマッチした人気商品として気仙沼の販売所やウエブサイトで売られています。伝統的な食品に高校生が新しい食べ方の息吹を吹き込み、地域の食文化を守るきっかけを作ったのです。

地域の担い手としての若者の育成を

近年の教育の課題として、子どもの自己肯定感(自尊心)の低さが挙げられています。文部科学省資料で引用されている一ツ橋文芸教育振興会等の調べでは、「自分は価値がある人間だ」と自尊心を持つ高校生の割合は40%を切り、米中韓の半分以下になっています。

しかも、この割合は時代とともに低下しているのです。逆に「自分はダメな人間だと思う」高校生の割合は1980年代の3倍になるなど、深刻さが増しています。

起業家教育、キャリア教育、イノベーション教育などの実践型の教育は、このような問題の解決策になります。経済産業省が、起業家教育の実施校134校に調査した結果では、70%を超える学校が起業家教育により児童・生徒の「自信・自己肯定感が向上した」と回答しています。

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1976年に創業し、90年代の渋カジブームを牽引したビームスが今も元気だ。創業以来赤字知らず。40年、最先端を走り続けられる秘密は何か。設楽洋社長への独占インタビューを掲載。