アメリカがこれから「バブル」になる可能性 どうしても今は利上げがイメージできない

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先日、ある通信社から「6月説と9月説についてコメントを下さい」という電話があった。筆者が「12月もないと思います」と言ったら、「こんな人と話をするのは時間の無駄だ」と言わんばかりに電話を切られた。

なおも、筆者にはイメージできないアメリカの利上げ

それでも、筆者は「今年の利上げはない」と思っている。手元で集計している25のアメリカのマクロの趨勢では、今年の引き締めがどうしてもイメージできないからだ。

確かに、消費関連の数字は良い。近くの買い物くらいしか車を使わず、所謂ヘビーユーザーではない筆者でも、給油時にガソリン価格の低下を感じる今日この頃だ。日本でもそうなのだから、車社会アメリカの個人消費への好影響はいかばかりのものか、想像はつく。

しかし、基本である製造業関係の指数は、どう見ても引き締め近しの数字ではない。

例えばISM(米サプライマネジメント協会)が発表する、製造業景況指数に至っては、昨年10月の59.0から、11月58.7、12月55.5、今年1月53.5と見事に低下(50は上回っているので鎮静化と言った方が良いか)している。

また、フィラデルフィア連銀製造業指数も同様だし、耐久財受注も10月はプラス0.4%(前月比)が、11月にはマイナス0.7%となり、12月は何とマイナス3.4%だ。

もちろん筆者は株専門のマーケットアナリストで、アメリカ経済の分析力なんて素人のようなものだ。連銀総裁に楯突くつもりはない。

ただ、イメージできないものは仕方がない、とにかくこのままの数字では、利上げをイメージできないのだ。

「やるやると言ってやらないFRB。NYダウは、結局1万9000ドル、2万0000ドルへ」。そんなイメージなら連想できるが。

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