富士フイルムの“13万円”超高級小型デジカメが好発進。値下がり続くデジカメ市場に一石

富士フイルムの“13万円”超高級小型デジカメが好発進。値下がり続くデジカメ市場に一石

富士フイルムが3月5日に発売した超高級コンパクトデジカメ「FinePix X100」が、好調な滑り出しを見せている。

一眼レフ並みの画質性能を備えたカメラX100は、店頭想定価格が13万円前後。機種によっては1万円代まで販売価格が下がるコンパクトデジカメ市場で、「異例ともいえる価格設定が足かせになるのでは」との見方が、事前にはあった。ところが、ふたを開けてみると、注文に生産が追いつかず、現在、小売店店頭では在庫切れの状況となっている。

富士フイルムでは、X100の年間販売目標を初年度10万台としていたが、「日本を中心に、欧米や中国、韓国など世界中から想定をはるかに上回る初月度3万台の注文が押し寄せた」、と富士フイルムの電子映像事業部の河原洋課長は語る。急ピッチで仙台工場の増産体制を整えているが、「数量がとても追いつかない状態」という。

X100は、重さ445グラムと小型軽量ながら、高画質の撮影が可能であることが特徴だ。一眼レフと同じサイズのCMOS(相補型金属酸化膜半導体)を搭載。高画質にこだわるために、固定式で単焦点のレンズを採用し、ズーム機能もない。コンパクトに高画質性能を備えたことにより、ユーザーは手軽に持ち運びしながら、ボケ味のある写真が楽しめる。

また、ハイブリッドビューファインダーを搭載していることも、他のデジカメと大きく違う特性である。高精細な液晶で見る「電子ビューファインダー」と、往年のカメラファンから支持の高い「光学ファインダー」を、撮影意図に合わせて自在に切り替えることができる。

両手を伸ばして液晶パネルを見ながら撮影する方法が一般的になった昨今、「ファインダーを覗いてカメラをしっかり構えて撮ることの価値を、もう一度見直して欲しい」と、河原課長は強調する。
    
 外観にもこだわる。カメラボディにはマグネシウムダイキャストを採用し、シルバーの高級感を出すように表面に特殊なコーティングを加工。ダイヤルやリング類はすべて、金属からの削り出しで加工されており、指がかりなどの微妙な感触を実現した。レンズ周りに絞りレンズを配置するなど、操作性も追求した。

富士フイルムでは、ターゲット層をプロのカメラマンやハイアマチュアなどと設定する。だが、「若い女性からも『クラッシクなデザインがいい』などと好評」(河原課長)で、支持層も想定以上に広がっているようだ。

とはいえ、X100の販売見込みは年間10万程度と、まだ小粒。富士フイルムHLDの今2011年3月期の第3四半期(10年4月~12月期)の業績においても、デジカメ事業を含む「イメージングソリューション」の売上高は全体の16%程度と、医療品や液晶パネル材料などの事業を下回る。富士フイルムはX100を「富士フイルムのブランドを象徴する製品に」と位置づけるが、今後どこまで支持層を広げることができるのかが、重要なポイントになるだろう。

(梅咲 恵司 撮影:尾形文繁 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
◎本2010.03  2,181,693 -42,112 -41,999 -38,441
◎本2011.03予 2,300,000 163,000 148,000 71,000
◎本2012.03予 2,390,000 195,000 195,000 107,000
◎中2010.09  1,105,345 85,890 76,984 40,301
◎中2011.09予 1,150,000 93,000 93,000 51,500
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
◎本2010.03  -78.7 25 
◎本2011.03予 147.4 30 
◎本2012.03予 222.1 30-35 
◎中2010.09  82.5 15 
◎中2011.09予 106.9 15-17.5 
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