私は、欲求不満を家の掃除で紛らわせ、家全体をピカピカにし、「家より先に自分の心を磨くべきだ」といわれるほど、清潔好きでいつもセンス良い服を着ているけれど、根性の曲がった人を、5人や10人ならすぐに名前を挙げられます。こういう人たちは、おおむね自分に甘く他人に意地悪く、決まって周囲の人を泣かせています。こんな人よりは五美子さんタイプが私は付きあい易いです。
別に人の悪口を好み、不潔で嫁の悪口を延々と言いまわる姑さんを、実は五美子さんのように心が綺麗な人かもしれない、と無責任に言っているわけではありません。
ただ、受け入れがたいほど一見下品に見える人でも、心が汚いわけではない場合もあるので、内面の良さを探す努力の大切さを伝えたかったのです。
細々とパイプを維持するべき
今後の対応方針ですが、まずご夫君が姑さんに注意を促しても、基本は五美子さんと同じで「大きな親切、大きなお世話」になるのがオチです。また何十年も続いた長年の生活習慣は、若い嫁の一言で変わる可能性は、望み薄でしょう。しかも彼は末っ子ですから、親兄姉に注意や説教するのは、家族にしか解らない微妙な感情があるかもしれません。かつ、話し合いで解決する文化のない家庭に、「良い環境の家庭」の家族文化を定着させようとしても、おそらく現実的には難しいでしょう。
そんな中で大切なのは、まずは無理してすぐに仲良くなろうとしないことです。貴女に実家に同行することを強要せず、それでも自分と子供は実家へ通うご夫君の両者に優しい行為は、「金輪際実家の者を無視してよい」には共感しませんが、とりあえず私もそのようにすると思います。貴女がこれまでなさってきた善い行いが、すべて理解されているのがせめてもの救いですね。それが解らない夫も多いのですよ。
夫の実家と折り合いが合わず、夫が自分の実家と束になって嫁に辛くあたる家庭も多いものです。そんな中、貴女に詫びて、実家を無視して良い、それより自分たちの家族を大切にしようと言ってくれる夫は、（私は全面的に賛成するわけではありませんが）大半の相談者の皆さんの家庭よりよっぽど恵まれているように思えます。
今後のことですが、すぐに仲良くなるとか、関係を切るとか関係を白黒ハッキリさせようとせず、細々とコミニュケーションの糸を絶やさずにするのが大切だと思います。
年に数回でも、貴女も加わって外食にするとか貴女宅に招くなど、ゆっくり交流を再開してみるのはどうですか。「口移しに子供に食べ物を与えるのは、虫歯菌を移すことになると指導されていますよ」「他人の悪口を聞く時は、いつかは自分のことも他で言われないかと心配になります」等と、タイミングよく、冗談っぽく明るく伝えながら。
それでも何も改善せずに受け入れられなかったら、年に数回のこと、と諦める努力も一つの方向性です。これが年中一緒に暮らす同居でしたら話は別です。ただ、貴女の場合は頻繁な交流が必要な状況でもないので、「義母が犬に口移しでエサを与えてもこの世の終わりではない。この程度のこと、年に数回ならば我慢して見せる」という選択肢が現実的かもしれません。
私が昔、困った時、あるお年寄りがさり気なく、こんな意味の民謡を歌ってくれました。「生涯、人に見られることのない岩陰に咲く花も、見られることがないからと咲くのを止めないよ。一番美しく咲こうと頑張り、咲いているよ。貴女も貴女らしく頑張って美しく咲きなさい。必ず判る人には判る日が来るのだから。花が咲くから春なの～♪ 春だから花が咲くの～♪」
この民謡はもの悲しいメロディーでしたが、ずいぶん救われました。エンジェルさんのように、正しいことでも姑の嫌がることは干渉せず、いい点をみつけて心を開き、聞き流せることは聞き流し、あなたから明るい話題、楽しい話題を提供しながらゆっくりと交流を再開してみるのはどうかしら？
これまでのようにあなたらしさを失わず、岩陰に咲くお花のつもりでこれからも美しく咲き続けてくださいね。子どもさんもみていますよ。
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