大人が知らない、「新・韓流ブーム」の真相 韓流は、日常生活に溶け込むステージへ

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今ではHさんの影響で、韓国に興味のなかった友人までもがネット通販などを利用してセルカ棒を購入しているそうだ。

原田の総評:若者消費は今後の有望市場

現場研究員たちのレポートはいかがでしたでしょうか。

日本における韓流ブームは、一時に比べると目立ちにくくなっています。しかし、今でも韓流スターが東京ドームでコンサートを開くと満員になっていますし、もちろん大多数ではないものの、それなりの数の日本の若者たちの間でも、アジア同様、韓流が定着していることがわかったのではないでしょうか。

特に今回、現場研究員が報告してくれたように、整形、美容、ファッション、カップルアプリ、ダンス、セルカ棒など、日本の若者のライフスタイルと近しい部分で、韓流がアジアの中心になっていることがわかります。

日本は今、未曽有の少子高齢社会となり(実は韓国も似た状況ですが)、エンタメ領域を中心に(たとえば、「月9」枠で恋愛ドラマが減るなど)、若者をターゲットにした商品やサービスも減っています。

しかし、アジア市場に目を向ければ、中国では10代で2億人以上、20代で2億人以上の人口がいますし、東南アジア各国の平均年齢は20代の国が多いわけです。日本の多くの企業が、高齢者市場だけではなく、若者領域にも目を向けないといけない時代になっているのだと思います。

原田 曜平 マーケティングアナリスト

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

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