またも「サイレント引退」東京メトロ7000系の足跡 1974年に初登場、有楽町線や副都心線で活躍

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地下鉄副都心線への対応が完了した結果、7000系はリニューアルも完了し、かつ走行機器をVVVFインバータ制御に改造した車両で揃えられた。副都心線対応の改造が行われず、廃車された車両は製造初期の7000系と思いきや、比較的新しい7000系にリニューアルが施されずに廃車されている。リニューアルの途上で副都心線対応の改造が行われたこともあって、リニューアルされた有楽町線開業当時の車両が残り、ベテランの車両が40年以上も使用される結果を招いている。

また、地下鉄有楽町線では、地下鉄副都心線の開業前から西武線や東武線に乗り入れている。1987年に地下鉄有楽町線が和光市まで開業したが、この際に東武東上線と接続、東武線との乗り入れがはじまった。

西武線側では1983年から乗り入れが開始されたが、事情は少しややこしい。西武線とは途中の小竹向原で接続していて、小竹向原―練馬間は西武有楽町線という西武鉄道の路線になっている。1983年に開業したのは小竹向原から途中の新桜台までで、ほかの西武線とは線路がつながっていない。この時点では西武線の車両が有楽町線を走ることがなく、7000系だけが使用されていた。練馬まで開業したのは1994年のことで、この際に西武の車両も乗り入れている。

この時点では、練馬付近で連続立体交差(高架化)の工事が行われている真っ最中で、7000系が練馬から先の西武線も走るようになったのは、立体交差の工事が完了に近づいた1998年のことだ。

東横線渋谷駅にも乗り入れ

2013年には地下鉄副都心線と東急東横線との相互直通運転がはじまり、7000系も東急東横線を経由して横浜高速鉄道みなとみらい線を走行し、元町・中華街まで乗り入れている。

東急東横線では各停が8両編成で運転され、設備上の理由で10両編成とすることが難しい。このために、7000系の8両編成を用意したといってよいだろう。実際、東急東横線で7000系を見る機会が多く、東急東横線の渋谷と菊名の間を往復して地下鉄に戻らないという使い方もされていた。

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